語学の専門学校に通っていたこともあり言語学にとても興味があります。授業の中で、日本語教師を目指すクラスもあり、日本語を見直すと、日本語も複雑でとても面白いことに気がつきます。ところで、言語といえば最近久しぶりに耳にした言葉で私が好きではない言葉があります。それは『気取る(気取ってる)』という日本語。この言葉ってとてもトゲがある気がしませんか?私はよく言われる機会がありました。例えば、写真を撮るときに手を前で重ねて背筋を伸ばして立つ。それだけで『気取ってる~』と。もちろんみんながピースしてれば私も空気を読んでピースするけれどそうではない場合はやはりお腹の前で手を重ねて立つことがほとんど。それから、まさにこのブログもその言葉の対象にされます。『あさこちゃんのブログって気取ってるよね~
』なんて。『そうかなぁ
』と笑って返したとしても内心いい気分ではありません。先日町で見かけた女の子たちの会話では華やかな服を着てきれいにお化粧をしてハイヒールで颯爽と歩く女性を指し『あの人なんか気取ってる~
』とコソコソ言っていたのを耳にしました。それってなんだかきれいなお姉さんに対しひがんでいるようにも見えてとても聞き苦しいですよね。服を着て歩いている犬をみて『犬のくせに気取って歩いてるー
』かわいくって愛情をもってからかっているにしてもそれが聞こえたらきっと飼い主は不愉快でしょう。『気取って歩いてる~
』を『誇らし気に歩いてる~
』というだけで全然印象が違うのに…。たぶん私たち日本人は個性をだすことよりも『右に習え』が大切だと知らず知らずのうちに教育されて今に至るのです。それが原因だと思います。少しでも目立ったり、変わっていたりするとからかいの対象にすぐされてしまう。幼稚園に行く頃にはみんなお揃いの黄色い帽子をかぶり、小学校では6年間お揃いのランドセル。ランドセルなんて海外では見かけないですよね。昭和初期はオカッパ&ボウズと髪型まで指定されていたくらい個性をだすことを嫌う文化が根付いた言葉と言えるのかもしれません。仮にきれいな人でも、心の中では素敵だと思ったとしても『気取ってる』ということで『自分は変わってない』をアピールしているのかもしれません。『気取る(気取ってる)』という言葉を肯定的に使うのは難しいですよね?『バカ』とか『アホ』といった子どもの悪口の数倍も嫌味が込められていて、大人が使う『人を見下す言葉』に感じるのです。だから、私はこの『気取る(気取ってる)』は大嫌いな日本語のひとつです。





