衝撃のSPから数時間後、私は悲しみで一杯だった。

テレビは見たくない。

きっと、辛口で真央ちゃんの事を嬉々として批判するに違いないと思ったからだ。

でも、後でネットでテレビのコメンテーターも、神妙な顔で真央ちゃんの事を心配して、批判はしていなかったとあるのを見て、少しほっとした。

でも、実際に自分で見てないから真偽は分からないが…

その事を示す出来事があった。

森元首相が、真央ちゃんの事を、大事な時にいつも転ぶ、五輪に出して恥だ。と言っているとニュースになっていた。

なんて酷い人だろうと思ったが、テレビでその人の発言全部を流していたのを偶然見ると、全然真央ちゃんの事を批判していなかった。

個人戦の前に団体戦に真央ちゃんを出すスケート連盟に対して文句を言っていたのだ。


ペアやアイスダンスは弱いのに、真央ちゃんに頼ってメダルを取ろうとして、真央ちゃんを出して…そうしなければ真央ちゃんに恥をかかせることもなかった。
というような内容だった。

びっくりした。

全然違うではないか。


人の言葉尻を取って、悪意のある書き方をし、それを広める。

メディアの世界は、改めて恐ろしく、自分が聞いて見たこと以外は、直ぐに鵜呑みにしない方が賢明だど思った。

そんな中、色んな人がTwitterで真央ちゃんを励まして応援していると言うのを見た。

maofightと言うタグを外国の人が立てて、応援しようとあった。

有名人やスケートの著名人も、真央ちゃんに対して心が痛むと、頑張ってと応援していた。

韓国メディアでさえ、同情的だった。(と書いてあったのですが…)


高橋大輔選手が真央ちゃんのSPを観客席で見て、泣いている動画を見た。

私も胸が張り裂けそうだった。


真央ちゃんファンなら、誰もが悲しんだろう。

真央ちゃんのフリーは見れない。という人もいた。


私も怖かった。


そして、ある人は、真央ちゃんが優勝するから好きなんじゃなくて、そのスケートに対する姿勢が好きで、真央ちゃんがフリーでダメだったとしても、真央ちゃんの本当のファンは、寄り添って行くと書いてあった。

私はそれを見て覚悟を決めた。

今夜深夜のフリー、ライブで見よう。

しっかり見届けよう。

たった1日でメンタルのケアが出来るとは考えにくく、私はフリーでも失敗するかもしれないと考えていた。

もし、そうだとしても、見届けよう。

彼女が優勝するから好きなんじゃない。

私は真央ちゃんのスケートが好きだ。

その姿勢が好きだ。

だから、例えどんな結果になろうとも、見届けよう。

例え、立ち直れてなくて、ボロボロだったとしても、それで嫌いになんかなったりしない。


覚悟を決めて、深夜1時テレビの前に座った。
19日 水曜日 深夜

もしくは、20日 木曜日の早朝

夜中2時

私はテレビの前にいた。

女子SP観戦の為だ。

世界ランク2位の真央ちゃんは最終グループの最終滑走。

大体4時頃滑走だ。

真央ちゃんの前に滑るのは、ロシアのソトニコワ。
地元開催の為、声援が凄いだろう。

だが、真央ちゃんは経験済みだから、大丈夫だろう。
その時は、安易にそう思っていた。


そして、国際スケート連盟のチンクワンタ会長が、金はヨナだと発言していた。

真央は肝っ玉が座ってないみたいな事を言っていたそうだ。

今思えば、真央ちゃんに何かあったのかもしれない。動揺させる何かが。

気になっていたのは、試合前のインタビュー。

真央ちゃんは元気がないように見えた。

目がキラキラしているとか、目に力が入っているとかそういうのじゃなくて、覇気が無いように見えた。

私は、何か心に引っ掛かるものを感じたけど、大丈夫だろうと思いなおした。

さて、会長自ら金メダルと言われている人の演技でも見ようと2時にテレビを付けた。

今シーズン、B級大会しか出ていない為、ランキングが低く、最終グループより二つ前のグループに入っているヨナの演技を見るためだ。

演技が早い場合、後のグループの為、点数は抑えられるというのが一般的なのに、ヨナは74点という高得点を出した。

真央ちゃんも3Aが決まれば、それぐらいは出るだろう。

本当はもっと出てもいいぐらいだ。一番難しい事をしているのだから。

ヨナの感想は、普通。

特筆する事もない。

まぁ、私が彼女を好きでないからでもある。


さて、後のグループの演技も見て遂に最終グループになった。

最初の滑走はリプニツカヤ。
団体戦でSPフリー共に出で、ロシアを金に導いた一人だ。

彼女もたしかその時SP74点は出でたと思う。

でも15歳の彼女は短時間で、2度もピークを持ってくることは難しかったのか、転けてしまった。

いつもの、彼女らしくない。

その後は、イタリアのコストナー。
真央ちゃんのお母さんが亡くなったと聞いて、涙を流した。心優しい人だと思う。

アベマリアをノーミスで、優雅に滑った。

とても良かった。

綺麗だった。

彼女も74点だ。

その後の人の演技は覚えていない。

真央ちゃんの前に滑った、ソトニコワがノーミスでやはり74点。

細かい点数までは忘れた。
ロシアコールが怒濤のごとく鳴り響く中で、真央ちゃんがリンクに立つ。

息を飲んで見守る。

最初の3A転倒。

なんて事だ。

次の3回転は飛んだが、
3‐2が2回転だけになった。

どうしたというのだろう。
これほどのミスをすれば、点数を待たなくても、メダル争いから、外れてしまった事は分かる。

その後の真央ちゃんのインタビューで、自分も何があったか分からないと言うような事を言っていた。

荒川さんが、技術はあるし練習では飛べているから、後はメンタルだって言っていた。

悲しくて、苦しかった。

集大成と言ってたソチ。

この日の為に四年間、ジャンプの基礎から見直した。
あの苦しかった日々は無駄だったというのだろうか?

6分間練習では、3Aは飛べているのに。

メンタルの問題というなら、周りの人は何をしているんだ?

佐藤コーチは男性だし、技術は指導出来ても、真央ちゃんの心までケアは出来ないんじゃないか?

いつも一緒にいる優しそうな、佐藤コーチの奥さんはどうしていないの?

代わりにロシア人のジャンナさんが側にいるけど、見た目、クールそうなこの人がメンタルのケアが出来るの?

ジャンナさんは、振り付け師タラソワア先生のお弟子さん。彼女が付いていると言うことは、タラソワ先生の愛を感じる。

だけど…

更に、お姉さんの舞さんは何で日本にいてタレントしているの?
真央ちゃんあっての、立場だと思うのに、何で側にいてあげないの?恋人がいるって言っていたようだから、真央ちゃんだけに関心は向かないのかな?

お母さんを亡くした悲しみは、簡単には消えないよね…

NHK杯でSPで綺麗に3Aを決めて、本人も喜んだのに、韓国人と天野ともう1人のテクニカルジャッジはエラーと判定した。

それまで、調子良かったのに、それまでの試合は全部優勝してきたのに…

その次の全日本では、鈴木選手が優勝した。フリーで144点も出して。

真央ちゃんでも出したことが無い数字。


グランプリシリーズでロシアやアメリカを勝ち抜いてきた真央ちゃんへの日本スケート連盟の評価が低すぎる。

鈴木選手なんてグランプリシリーズ一回戦で負けてファイナル出れなかったじゃないか。3‐3もないのに。

こんな数々の仕打ちをされれば、そりゃあ、闘う闘志も出なくなるわ。

私だったら、嫌になるよ。
そんな事を色々考えていた。

真央ちゃんのスコアは絶望的だった。


点数は55点。順位は16位…
いよいよソチオリンピック。真央ちゃんの集大成となるフィギュアスケート。

今年から、団体戦という種目が出来て、何故か個人戦より先に行うという。

ピークを団体戦と個人戦に持ってこないといけないから、選手にとっては大変だ。

大抵の競技の団体戦は、個人戦の後になるのに、フィギュアだけ違う。

不可解と思いつつ、見ていた。

真央ちゃんはSPに出る。ノクターンだ。

3A

3‐2
という高難度の構成

大抵の選手は

3‐3

2A

真央ちゃんは全て3回転で2回転はセカンドジャンプという。

何点でるかワクワクして見ていた。

だけど、最初の3Aで転倒
でもその他のジャンプは決めて、64点だ。

ロシアの女の子の後に滑ったから、声援も凄くて緊張したのかなって思った。

それでも真央ちゃんは3位。

団体戦で雰囲気を経験したから、次の個人戦では大丈夫かなって思ってた。

その時は、誰もがそう思ってたと思う。