衝撃のラスト!
冒険映画なのです。
よい子は絶対に真似しないでね・・・
いやいや、真似する気にもならへんわ、と思う驚愕のラスト。
ラストだけでなく、途中も観客のざわざわが止まらず、終わってもそのまま座っている人も多かった。(中国では、たいていエンドロールなんか観ないで帰るのに)
そんなんだから、この映画は、去年2017年の11月に観た後、衝撃が強過ぎてすぐには感想も書けないまま放ってあった。やっと少し衝撃(←記憶?)も薄れて、内容も簡潔にまとめられそうな気がする。笑。この独特な映画を、とりあえず記録しておきたいのです。
原作者は冒険家
この映画の原作は、楊柳松が自らの体験を元に書いた小説『北方的空地』だ。
映画のあと読みたくて本屋に行ったが、もう絶版のようだった。ヒット作というわけでもなさそう。もとは、ネットに少しずつ日記風にアップされた記事みたい。
主人公が旅するのは、中国の羌塘無人区(チベットの北方)という場所だ。
無人区というくらいだから、人は住んでいない。平均海抜は5000メートル以上、面積は約30万平方キロメートルで、国家級自然保護区となっている。
地形は複雑で、空気は薄い、寒い、食べる物がない。高地に順応した野生の羊や牛などがいるにはいるが、人間には住めない土地。
かなり冒険に熟達した人でさえ、この土地を横断するのは難しい。だから、みんなこの土地を恐れて”無人区”というのだ。
よく撮影したなあ。
さぞかし苦労したと思う。
しかし、景色は恐ろしいほどに美しい。大きなスクリーンに映し出される風景の静謐さ、空や湖の青さったらない。それだけで、もう、この話しはただ事じゃないと思うのだ。
あらすじ
主人公の楊(赵漢唐)は、冒険家だ。日常の生活には満足できず、もっと自由になりたいと願っていた。そこで挑戦しようとしたのが、最も困難と言われる羌塘無人区を西から東へと1400キロの単独走破だった。
トラックに乗せてもらって、だいたいの出発地で降ろしてもらったのはいいが、全ての荷物を下ろす前にトラックが出発してしまい、それでは計画もだいなしだと、もう1度街に戻って来る。
楊を演じる赵漢唐は、日焼けで真っ黒〜〜。
街で知り合ったのは、車いすの女性・藍天(江一燕)だ。
彼女は女性冒険家として有名だが、1人でエベレストのあたりのどこかの山(←忘れてしまった、すいません)の登山中に滑落、腰を負傷して半身不随となってしまっい、今は執筆活動や講演会をして生活している。
体が不自由でもがんばってる風を装っているが、本心はやりきれない思いを抱えている。どうして自分はこんな運命なんだろう、2度と自分の足で立つこともできない、山にも行けない。彼女も、自由を欲しているのだ。
共感し合う2人。楊は藍天を連れ出す。彼女が好きな自然いっぱいの所へ。
しかし、ゆっくりしている時間はない、早く出発しないと冒険にとってよい季節が過ぎてしまう。ただでさえ、出発が遅れているのに。
あとは、ひたすら1人で、人間を拒むような自然の中を進む。
装備は、自転車とそれに積んだ水や食料、テントくらい。
地図で確認しておいた湖に着いてその水を飲もうとすると、塩水ーーーーー!!
というように計画は、思ったようにいかない。
直射日光も強くて、疲れも倍増。日に焼けるし。ひたすら、ひたすら進んでいく。
岩だらけの山あり、砂漠あり、雪山あり。
猛吹雪にあって食べ物は凍って食べられないし、など、とにかく困難につぐ困難。
でも、風景は美しい。神々しいほど。
ただ、思ったより計画が押してしまい、雪が溶ける季節になってしまった。
本来なら、それより前に抜けるはずだったのに、水が突然押し寄せて来て、周囲は一面の水浸しに変わってしまう。
何もない砂漠のようなところに川ができて、押し流れそうになる。
(撮影では、本当に危険なシーンだったらしい)
↓こんな見渡す限り水に覆われた土地を、ひたすら進む。
どこにどうやって寝たのか不思議なんだけど・・・。
途中、熊にあったり狼あったり、狼にはずっと後をつけられる。←怖い・・・。
主人公は食べる物も少なくなってきて、どんどん正気を失っていく。そして、テントの中で動けなくなって・・・。
結局、ゴールには辿り着けないのです。・・・・・・。
題名の『七十七天』とは、77日という意味なのですが、77日目に力つきてしまうのです。
がんばっていつかゴールにたどりつくのか、とか、偶然軍隊や研究チームなどに出あって救われるのか、とか思って見てたものだから、ええ〜〜、ここで終わり!?
ええ〜〜。冒険って、自由を求めるって、こんな辛くて救われないの!? という虚無感がどーんとやってくる。
原作者は帰って来て本を出したくらいだから、生きて帰ってきたはずなんだけど、監督はなぜこんなラストにしたのか聞きたいわ。
あと、まったく知らなかった、たぶん知らない人が多いと思う、この羌塘無人区という場所を知れただけでも、よかったかも。影像は迫力満点です。(でも、絶対に1人では行きたくない)
いろいろ言ってますが、私は好きなタイプの映画で、もう1度みたいです。はい。
*写真は、百度からお借りしています。
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