最近、最新中国映画のブログのようになっておりますが・・・、
他の記事を書く余裕がなくて、映画を優先的に書いてしまっております。笑。

とりあえず、今回も、今人気の白百何が主演の映画『滚蛋吧!肿瘤君』を。


実話マンガ
この映画は、実話のマンガが原作である。
熊顿という女性が、闘病記をネット上のマンガで公開した。

2011年8月にリンパ癌が発病してから、2012年11月に亡くなるまで、まだ若くて29歳だった彼女は、病魔と闘う日々をユーモアを交えて毎日投稿。マンガはストーリーではなくて、4コマ風。(後に本として出版もされた。)

それはネット上でまだ読むことができるのだが、毎日の投稿に対する読者からの反応が、たくさん書き込まれている。
「がんばって」「よくなることを祈ってます」というものから、「マンガかわいいから好き」みたいなものもあれば、具体的に「○○を飲むといい」などのアドバイスまで、たくさんたくさんの書込みがある。

たぶん若い読者が多いのだろう、命がもう消えそうという重さを受け止めるには経験が浅いのだろうか、深刻さはあまり感じられない。文字で表現しきれないだけなのかもしれない。みんな一生懸命作者を励ましており、漫画を毎日投稿していた本人は、どれだけ励まされていたことだろうと思う。


映画では、そういう読者とのやり取りはない。最後まで明るく前向きに生きようとした熊顿と、彼女を励ます家族や友人たちにスポットが当てられている。


あらすじ
熊顿(百白何)は、かなりはっちゃけたところのある女性。29歳の誕生日に、上司に言いたいことを言いクビになってしまい、ヤケ食いをしていると、彼氏が別の女性とデートをしているところに鉢合わせ、ふられてしまう。

落ち込む熊顿だが、友人たちが誕生パーティーをサプライズで開いてくれた。友人の艾米(张子萱)は、ルームメートの幼なじみ。老郑(程伊)は、女性ボクサーで、見た目は男みたいにボーイッシュ。小夏(刘芮麟)は、会社の同僚の男性。

彼らになぐさめられて、飲んではしゃいでいた熊顿が、突然倒れて意識不明になってしまう。病院に運ばれた熊顿は、そのまま入院。検査の結果、リンパ癌と分かる。

担当の梁医師(吴彦祖)は、この病気は治療がとても難しく、5年後の生存率が20%ほどだと言う。いかに延命をするのかだと。

そのような絶望的な宣言をされても、熊顿はまるで病気を気にしていないかのように、梁医師がすごくイケメンで好きになっちゃった、と言い、漫画家なだけあって、頭の中は妄想でいっぱい。フランス映画の『アメリ』のように、妄想が影像になって繰り広げられるのは映画ならでは。

また、同室になる人々、最初は白血病の男の子、次には謎のツッパリ美女の夏梦(李媛)たちとの交流も描かれ、

家族と友人たちは、病気なのに明るすぎる熊顿にあきれながらも、彼女を支えていく。そして、懸命に生きる熊顿の態度は、逆に、友人たちを励ましていく。

他の患者と異なり、落ち込んだり、悲しんだり、嘆いたり、ヤケになったりしない風変わりな患者、熊顿に、梁医師は医者と患者という関係以上の気持ちを抱くようになる。しかし、梁医師は過去にも患者と恋に落ち、その患者を亡くすという経験をしており、同じことを繰り返したくないと、最後の一歩を踏み出すことができない。

熊顿は、1度は退院する。
しかし、病状は再び悪化し再入院。

自分はもう助からないだろうと思う熊顿は、梁医師の思いを理解し、同じ失敗をしたくないからと人生に尻込みをしないで生きて欲しい。と告げる。

そして、その後、帰らぬ人となってしまう。


精神は元気
これで終わりなのかな・・・と思うと、実は、最後に葬儀のシーンがある。

参列者たちの前に、あらかじめ用意してあった生前の熊顿のビデオが映し出されるのだ。
熊顿はみんなに感謝の気持ちを述べたあと、いつどうやって死ぬのかよりも、どうやって生きるかを考えるんだ、死ぬまで一生懸命生きていくことが大切なんだと語りかける。・・・。


見回すと、みんな、涙・・・、涙・・・。

入院生活をコミカルに笑わせて、最後はしんみり。
熊顿は、肉体は病気でも、精神は最後まで元気に生きることができるということを証明しようとした。


同じようなテーマのドラマはたくさん見てきた気がする・・・。でも、この映画が違うところは、ネットで毎日入院日記として投稿されていたという、それを毎日読んでいたたくさんの読者がいるということだろう。
読者は、日々、熊顿のマンガで彼女の病状を知り、家族か友人のような気持ちになり一喜一憂していたことだろう。それは、SNSが発達した最近の新しい現象だ。
そういうところから映画の題材がくるというのは、新しい映画のあり方なのかもしれない。

観客評価は、7.6点。かなり高い。

あー、でも、映画だけ見た私としては、5点くらいかなと思った。みんなたぶんマンガも読んでるんだろうな・・・。



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