もう4ヶ月くらいになるかな。

毎週金曜日の午後は決まってトレガー•アプローチの出張セッションに来ています。

クライアントさんは、軽い脳梗塞を2回発症し、全身に少し麻痺があります。

今日も先程までセッションをしていました。

今日のセッションでトレガー•アプローチの大切な部分の気づきがあったので忘れないためにブログとして残して置きます。



腕から指先までの拘縮へのトレガー的なアプローチとして、「柔らかさと伸びる感覚の体験と共有」がセッション中にひらめいたテーマでした。

指や手首や肘の関節、その間にある筋肉をこちら側から力を加えて広げたり伸ばしたりする事は、決してありません。

こちら側がする事は、まず「探る」こと。

クライアントのあらゆる組織に興味を持って優しく「探る」。

この握ったままの指先の何処かに隠れている「柔らかい感覚」を「探る」。

それをする中で、指先の皮膚の小さな部分や関節の間の小さな筋肉の柔らかさにこちらが気づく。

そして、クライアントへ「これが柔らかい」と言う感覚だよ、「これがほんの少しだけど伸びる」と言う感覚だよ、伝える。

こちらは、根気強く、気長に、少しづつ、「柔らかさ」や「伸びる感覚」と遊び味わう。

クライアントに「柔らかさ」や「伸びる感覚」を体験してもらう。

そうしているウチに、ある瞬間、クライアントが大きく深呼吸をする。

その深呼吸と共に「柔らかさ」が指先から手の平へと広がり、関節やその間をつなぐ筋肉が一気に柔らかさを取り戻し、指が伸び、手の平が広がる。

クライアントとこちらとの間で「感覚の共有」が行われた瞬間だ。

こちらが感じていた感覚をクライアントが受け入れ、共有した瞬間、この体験はクライアント自身のものとなり、新しいパターンを学習した事になる。

手首の周りでも、手首と肘の間でも、そしてさらに上腕でも、伸びる感覚を体験し、共有して行く。


時には抵抗に出会う事もある。

そんな時は、半分の力で。

それを繰り返しても抵抗と出会う時は、角度を変え、探る筋肉を変えてみる。

冒険好きな登山家の様にあえて困難なルートなどは、トレガー•アプローチでは決して選ばない。

より楽に、より優しく、そんなルートを探ればいい。



いつも拘縮して胸の前で握られていた指腕が、今日は大の字に広がっている。

クライアントは、今日学習した事を存分に味わっている。


大切な体験が出来たセッションだった。

ありがとうございます。



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