ベルカントオペラの傑作、La sonnambula / 夢遊病の女 | lala-l-art-de-vivreのブログ

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忙しい日常からひと時離れて、ひたすら街歩きを楽しんだり、たっぷり音楽に浸ったり。
私の大好きな旅の日記です。

昨年2023年5月に訪れたドレスデンで観劇したオペラがベッリーニのLa Sonnambula(和題:夢遊病の女)でした。当初は、せっかく念願のドレスデンのゼンパーオーパーでの観劇なのに、演目がイタリアのベルカントオペラか・・・と若干がっかりしたのが正直な感想でした。

美しいゼンパーオーパーの様子はこちら↓

 

その時のプログラムから↓

 

 

 

 

ベルカントオペラは、美しい流麗な旋律と超絶技巧の歌唱技術が肝な一方、ストーリーは薄っぺらいものが多い印象で(ヒロインが発狂して超高音の装飾歌唱を聴かせる場を作るために、無理なストーリーを作っている感じ?)、それまでは好んで観に行くことはなかったのです。

そんな先入観を持ちながらドレスデンではじめて観たLa Sonnnambula。ストーリーは想像の通り荒唐無稽でして・・・「結婚が決まった若い女性が、結婚式の前夜、村を訪ねてきた伯爵が滞在している宿屋の部屋で寝ているところを発見されていまい、貞操を疑われて結婚をキャンセルされてしまう悲劇→でも夢遊病であることが証明された為に疑いが晴れて、一件落着でハッピーエンド」という、無理のある展開。 しかし、そんなことはさておき、ソプラノとテノールの圧倒的な歌唱力が、とにかく圧巻だったのです。

 

ゼンパーオーパーのHPより↓

 

そして、この演目が今月の新国立歌劇場の演目として登場。予定を合わせるのが大変だったので迷ったのですが、一度生で聴いてみたいと思っていた世界的テノール歌手、アントニーノ・シラグーザさんが登場、しかも伯爵役には私の大好きな妻屋秀和さんが出演とあって、なんとか予定を合わせて、昨日10月12日(土)に行ってきました。

 

 

いやいや、はじめて生で聴いたシラグーザさんの声のなんと美しいこと!荒唐無稽なストーリーで且つ2回目の観劇なんていうことは全く関係なく、声を聴いているだけで自然に涙が溢れてしまいました。声だけで人の感情を揺さぶるって、凄いことだなあと思いました。

そして、主役は代役で出演された若きスター、クラウディア・ムスキオさん。超絶技巧と豊かな表現力を合わせもった凄まじい歌唱力は圧倒的でした。そして、もちろん妻屋さんの重厚感のある声も心地よく、やっぱり好きだと実感。

 

素晴らしい週末の始まりになりました🎵