空「梅雨ですね。これ以上なく最低の気候です。うんざりです。」


「ずっと雨降ってるよな。」


空「雨の何がいやかって、濡れることです。

私は顔が濡れただけで力がでなくなったりはしませんが、どこかのヒーローではないですからね、

でもその日一日を濡れた衣服で過ごすなんてまっぴらごめんです。

肌に衣類がまとわりつくあのいやな感じときたら、いっそのこと全裸の方がましなくらいですよ。

まあとはいえ、一定の自尊心を持つ私は、家の中でもない限り全裸で過ごすことはもちろんありません。

ですから、不幸にも野外において、もし服がびちゃびちゃになっても、それこそおかゆのように

おおよそドライとは縁のない状態へと変質してしまったとしても 私はそれを着続けるでしょう。

そしてストレスは着実に蓄積され、一方で私の精神は少しずつすりへっていき、

やがて情緒は不安定になり、目がうつろになって、ああなって、こうなって・・・。

雨っていやですね。」



「うん、最後結局どうなるんだよ?途中であきらめるんじゃない」


空「いやあきらめてません。

面倒くさくなってやめたんです。

その違いがわかりますか?

あきらめるというのは、健在である目的なり信念なりに対する裏切りですが

面倒くさくなってやめるというのは、消失寸前の信念との心中です」



「ずっと雨降ってるよな。」



空「ええい、ふりだしにもどすな」