疲れすぎて、何もかも嫌になった私は、お気に入りのシークレットガーデンに来た。少し贅沢だと思っていた年間パスポートを4500円で買って神戸の布引ハーブ園に来た。満開の薔薇の香りを嗅いで、500円のクッキー付きの薔薇のバーブティーを野外ガーデンで楽しむ。私のお気に入りの場所で、風、緑、ウグイスの鳴き声を疲れすぎた身体いっぱいに感じる。
梅雨の合間の午後のひととき、ねず色の雲が時折太陽を隠しては、流れて行く。中空を漂うようにカラス、トビ、白鷺が私の視界を横切っていく。
なんて、のんびりとした時間だろうか。
豊かな自然は、疲れすぎた心を確実に癒やしてくれる。
自然は教えてくれる。
そのままの私で良いのです。
自然はそのままでも、美しくて完璧です。
薔薇の花びら、匂い、なんてパーフェクトなな芸術作品でしょうか。
そして、私もみんな、同じように、そのままで美しくて完璧なのです。
カラスもウグイスもアゲハチョウも薔薇の花も、自然はすべてコンプレックスを持ったり、卑下することなんてしない。
そのままで、輝いている。
私たちは、すべてそのままで完全に美しく完璧な存在なのです。


日が傾き始めると、巣に戻るカラス達の舞踏会が始まった。風に乗ってブーメランのようにたくみに踊り、恋人たちは宙で重なりあって、愛の告白をして、まるで今日という1日を労っている素敵なパーティ、側で見ている私にも楽しさと喜びが伝わってくる。
ありがとう、すっかり嬉しく、元気になった私は自然に感謝です。