『佐々木薫のアロマテラピー紀行』を読んで | マロウの徒然日記

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ガーデニング記録を中心に、日々の暮らしをつれづれなるままに・・・

紀行文を読むことはあまりないけれど、
確かに、「行ってみたい、見てみたい」と気持ちをそそられるものに出会うのは、楽しいいことです。
普通の旅行用のガイドブックと違って、はっきりと旅の目的が焦点化されているのがいい。
ブログでは、16さんのボルネオ紀行に知らなかった東南アジアの臭いを嗅ぐことができたし、
(彼のお人柄にも共感できたから、一緒に感動することができたのかも・・・)
TV番組では、太田和彦氏の居酒屋紀行に日本酒や酒の肴に惹きつけられた私です。

さて、『アロマテラピー紀行』では、
私が知らなかった植物のありのままの姿を見ることができました。
アロマ初心者の私は、植物から採取される精油(エッセンシャルオイル)の効能書きからその名を知ったものが多いのですが、
製品となった精油の香りや名前からは想像できない植物の姿や産地の環境を知ることができました。
中には、まちがって捉えていたものもあり、
使っている製品のルーツをたどるというのは、知識をより深めてくれるものだと再認識しました。

「フランキンセンス・乳香」は、香りも好きなんだけれど、なんたって中高年の女性にはありがたーいシワやたるみを防いでくれる働きがあるので
購入した精油です。
でも、その木はどんな木でどこで育ってるんやろ?とちょっと興味を持っていたんです。
そしたら、現在はオマーンの砂漠のような場所、雨期になったら川のようになってしまうというから、自然環境的には過酷な場所で育っているんですね。
しかも、日本で見かける常緑樹のように葉がふさふさと茂っているのではなく、ゴツゴツした幹にチョロチョロと生えていて、観賞的には魅力がなく、いかにも野性的で粗忽な木なんです。この木の皮から、あの落ち着くような癒されるような香袋が採れるとは・・・。
いったい誰が見つけたんだろうね。聞けば、紀元前から宗教的儀式の薫香に使われてきたというではありませんか。
昔の人は、植物の力というものを知識ではなく経験や感覚で見抜いていたんでしょうね。それこそ共生していた証というものでしょうか。
現在人の私たちは、たくさんの情報を得ることができるために、自分の五感を使って物を探す、見抜くという力が衰えてしまっているのでしょう。
フランキンセンスの効能を見つけてくれた先人たちと、精油に仕上げるまでに生産加工してくださる人々の労力に感謝して、
小さな小瓶の蓋をあけ、
その1滴を垂らし、
香りを楽しむことにします。

他にも、一度は訪れてみたい「バラの谷」や
ネロリの名前の由来など、アロマの故郷にはまだまだ知らないことがいっぱいなんだなあと思わせてくれる一冊でした。