えり子の電動ノート
きのうのことです。
仕事から家に帰ると建物の手前一階の窓の下に
仰向けのグレー色の鳥がいました。
あたりはいつも整然としており団地の周り中
みんなしょっちゅう掃除してきれいを保っています。
羽、血痕などはまったくなくて
ただ首のない鳩がおいてあるのです。
とてもこわくて急いでへやにあがりました。

あまり団地内で鳥や猫をみかけることもなく
こどものすがたもあまりみかけません。
とにかくいつも静かで片付いていて人気のない
閑静な団地です。

鳩を埋葬するべきか
もしくはしかるべきところへ通報すべきなのか
ただしい行為が思いつきませんでした。
寝るまでに何回も鳩を見に行きました。

朝仕事に行くとき見ると
いなくなっていました。
鳩の羽ひとつない状態で
まるでなにもなかったみたいに
いつもの静かな片付いた団地でした。

よけいにこわくなりました。
ここにはお年寄りばかり。
みんなすぐきっといなくなるけれど
だれがいなくなっても
またこんなふうに
まるでなにごともなかったような景色
みんな
いてもいなくてもおなじ
寂しい気持ちになりました。

ツインピークスをみたときみたいな
きもち。

混沌と無関心

せかいはそうやって回っているのだな。