イギリスの大学の授業って?
イギリスの大学の授業システムは日本の大学とも、アメリカの大学とも違い、少し想像しにくいかもしれません。今回はイギリスの授業システム、課題や成績システムなどについて、私自身の実体験もあわせてご紹介します。★イギリスの大学の成績システム★イギリスの学部課程では、成績によって、5段階に分かれています。First Class、Upper Second Class (2:1)、Lower Second Class (2:2)、Third Class、そしてFail(落第)。大学院では、Distinction、 Merit、 Pass、 Fail の4段階です。課題はすべて0~100%で採点され、70%以上がFirst Class、65~69%がUpper Second Class (2:1)、64~60%がLower Second Class (2:2)…となっています。理系科目(Natural/Life Sciences, Engineering) には課題が『正解のある問』であった場合、100%を取ることは可能ですが、文系科目 (Law, Business, Social Sciences and Humanities) では、『正解のある問』は一切ありません。よって、70%以上をコンスタントにキープすることは大変難しいので、70%以上が実質上の満点と考えて間違えはありません。それぞれの成績評価の基準も、assigntment criteriaという書類に明記されていますが、正直なところ、自分の課題が70%以上の基準を満たせているか、など学生ではなかなか判断がつきません。私の経験上、そして、またお知り合いのC教授の基準では、『課題の問に批判的なアプローチをもって自分なりの問を引き出せたか』です。ちんぷんかんぷんでしょうか?イギリスの大学では、聞かれたことに単に知識ももって素直に答えていたのでは70%はおろか、60%にも到達できまない、ということですが、私も2年目の冬頃まではなかなか感覚が掴めず、58~63%をうろうろしていました。逆に、このポイントを抑えると、飛躍的にスコアが伸びたのは間違いありません。ここで言う、『批判的なアプローチ』はとても重要なポイントですので、次回改めてご説明します。Third Classでも卒業できるのならば、First Classはそんなに大切でしょうか?大切です。実は、イギリスの大学では、2:1以上を取ることに学業的・社会的価値があるのです。新卒者を対象にした募集要項には、『大学を2:1以上の成績で卒業した者』とあることもあり、まさに、『大学卒業に値する努力をしてきたか』という指標にする会社もあります。Third Classで卒業したイギリス人の中には、面接で、『大学で何をしいていたのか』と聞かれたケースも。 また、大学院に進学する場合でも、2:1を合格条件にする大学院が多数です。ハイランキングの大学を目指すのならば、First Classが安心です。だからこそ、イギリス大学の大学生にとって、2:1は将来のため必ずクリアしておきたいのです。★イギリスの大学の授業システムと課題★イギリスの大学では、主に、レクチャーと言われる講義と、セミナーまたはチュートリアルと呼ばれるゼミクラスのような2タイプのクラスによって成り立っています。レクチャーでは基本的には受け身ですが、セミナー/チュートリアルでは、少人数(10~15人程度)のグループクラスで、毎週のテーマについて積極的に議論したり、プレゼンテーションをすることが求められ、学科の評価基準ともなっています。セミナー/チュートリアルについていくためには、膨大な課題図書を事前に読み込んでおく必要があります。クラスは、課題図書を読み込み、自分なりに考えてきたことを前提に進みますので、課題図書を読み込むための時間が必要です。また、課題図書を理解するためにも、キーポイントなどを抑えるレクチャー出席は必須であることがわかります。このような予習時間に加え、エッセイと呼ばれる、小論文の課題 (2000~6,500 wordsが一般的)にも時間を使います。十分なエッセイを書き上げるためには、自主的に議論を深め、リファレンス(参考文献)を読み進める根気と時間が必要になります。イギリスでは、大学は『何を勉強したいか探求する場所』ではなく、『勉強したい科目について専門的知識を深める場所』です。よって、イギリスの大学では、1年目の1日目から専門科目についての授業が始まります。日本の大学と違って、一般教養の年はありません。また、基本的に、アメリカの大学のようなMajor/Minor科目制度がなく、専攻1科目についてのみ3年間学びます。Durham大学やExeter大学、SOASでは、Combined Degreeと言って、Geography and EconomicsやInternational Relations with Sociologyのように、2つの科目を学べるコースも提供しています。どちらがMajor/Minorということはありませんので、どちらの科目にも100%の努力が必要です。結構大変そうで嫌になりましたか?それとももっと興味がわいたでしょうか?入学後の生活を知ることは留学を成功させる上でとても大切なポイントです。質問や記事のリクエスとがあれば、コメント欄にどうぞ。