『死刑にいたる病』

櫛木理宇著　ハヤカワ文庫

『チェインドッグ』を改題して文庫化したらしいです。

それに、映画になっているみたい。知らなかったわ。

キルケゴールの『死に至る病』を意識してつけた題名なのかしらね。

ところで、キルケゴールではなくてキェルケゴールが正しい表記なんですか？

私はキルケゴールって言っていたけどなー。

【内容（「BOOK」データベースより）】

鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人鬼・榛村大和からのものだった。「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」パン屋の元店主にして自分のよき理解者だった大和に頼まれ、事件を再調査する雅也。その人生に潜む負の連鎖を知るうち、雅也はなぜか大和に魅せられていく。一つ一つの選択が明らかにする残酷な真実とは。

筧井雅也は、かつては優等生で自信たっぷりだったが、今では最低ランクの大学生。

鬱々とした面白くもない毎日を送っている。

そんな中、連続殺人犯で収監中の榛村大和（はいむらやまと）から手紙が届く。

榛村は雅也が子どもの頃よく行っていたベーカリーの店主だった。人当たりが良く誰からも好感を持たれていた。

逮捕されたのは５年前。２４件の殺人容疑だが、立件されたのは９件のみ。

被害者たちはハイティーンの少年少女で９件目のみ２３歳の女性。

彼が言うには９件目は冤罪であると…

他の罪は認めるけれどやってもいないことは認めたくないというのだ。

雅也に調べて欲しいとのことだった。

雅也は法学部の学生ではあるものの、彼の冤罪を晴らす手立ては何一つないので断ろうと思ってはいたが、今何をやっても最低の学生生活に嫌気がさしていたところで、ここで一つのめり込めることをしてみたくなり受けることにした。

読み終わったけれど、なんと言っていいか感想書くのがちょっとね。何かしっくりこない。

終始、雅也が榛村の知人たちに、彼の子ども時代からのことなどの聴き取りがほとんどになっている。

不運な子ども時代の事とか、また彼の異常性、また彼を恐れながらも惹きつけられる特異性などの描写が続く。

物語としては、ドキドキする展開はなく、最後も読者を感心させることもない。

大体そうなるであろうということで察しが付く程度だ。

この本はどんな本かと問われれば、イジイジしていて物事がスッキリしない不快感だけが残るものだったと答える。

映画にもなっているが、評価はどうだったのかな？

■サイコパスの猟奇殺人鬼から手紙が来た大学生『死刑にいたる病』