「惜しむとて惜しまれぬべきこの世かな身を捨ててこそ身をも助けめ」
西行
二三歳で出家する前に詠んだ歌
いくらこの世を惜しんでも惜しませてくれないのが 現実のこの世
いっそこの世を捨てたほうが自分らしく生きられる
ある解説では 妻子を捨てて出家した西行は 冷たい人間と思われそうだが決してそうではない。数年経って 子供をこっそり見に来て 庭で遊んでいる成長した姿に
喜んでいる。西行は優しい温かみのある人間 と、強調している。
しかし、それは俗世間の 浮世の考え方。
その義理人情の世界にドップリ浸かって溺れること 立身出世に励むことが 自分自身を殺してしまう。
冷たい人間になる勇気が自分を活かす道と、 西行は 出家した。そのことを忘れてはならない。
出家とは、家族を捨てること、身を切ること、冷たい滝行をすること。