「ゴダールの決別」を語る必要性

 

   ゴダールの最晩年に日本人の映画ジャーナリストがインタヴューをした時

   ゴダールはコンラッドを引用させてくださいと言って コンラッドの言葉を思い出しながら話した

   これはゴダールが「ゴダールの決別」の映画で表現した引用の羅列の実際版現実版である

   「ゴダールの決別」は 引用がいっぱいつまっていて 引用という方法論で作った非常に特殊な作品といえる

   映画でゴダールは 映画は映像とともに一冊の本を書いてるつもりで作っていると言っている

   昔は本屋になりたかったとも言っている そしてインタビューで実際に引用会話を展開しているのは 

   これは映画も現実も 過去の本の文章を引用することで成り立つことを示している

   ゴダールの人生観である

   人生は過去に出版した本の作者の言葉とともにある と 

   過去と現在は文章を引用することで繋がり続ける

   引用すればするほどその繋がりで自分の立ち位置も濃くなる

   そして その情熱がなくなった時が死である