カフカ「断食芸人」という短編小説

 

  『自分に合った食べ物を見つけることができなかった』と言い 息絶えてしまう 断食芸人の話

  断食を”芸” と一応しているが 内実は ただ『自分に合った食べ物がなかった』だけ という話

  この社会には『自分に合った食べ物がない』という 社会不適合者は 断食せざるを得ず

  その結果 当然死ぬ 死なざるを得ない それだけ 合理的 感情はない 冷静な単純な話

 

  社会不適合者は除外される仕組みの世界

  断食を”芸”とせざるを得ず 結果 

  静かに死んでゆかざるを得ない 社会が主体なのか自分が主体なのか?

  「断食芸人」は 世界の<不条理>を知らしめたカフカの代表作

 

  そして 「審判」「城」という長編小説は この逆 正反対を描く

  それぞれの主人公は ”シジフォスの神話”のごとく 永遠に この”不条理”の世界を相手に 戦い続ける

  いつ果てるともない闘い 静かに 辛抱強く 闘い続け 闘い続ける

  読者に”勇気”を 陽炎のように漂わしめる 長編小説もカフカは書いている