『自分のペースで生きる』男 バイロン・バンチ フォークナー著「八月の光」

 

   バイロン・バンチは平削工場で働いている 土曜日の午後になると仲間の職工たちはオシャレをして町に出かけてゆく

   彼は行かない ただ一人工場に残って 出来上がった板を 粗麻の袋を肩にあて 貨車まで運ぶ

   自分の時計で時間を計って最後の一秒まで

 

   夕方 仕事を終え下宿屋に戻り 夕飯をすますと 裏庭に繋いでいたラバに鞍をつける

   30マイル先の 隣の村の教会までの田舎道を そのラバに乗って夜どうしかけてゆっくりと

   朝から一日中続く礼拝の その合唱隊の指揮をして 日曜日を過ごす 

 

   次の朝 新しい服に着替えて工場に行く、、、、

 

   自分ペースで生きている男 仲間からは風変わりな奴と思われているのに気付かないバイロン・バンチ

 

   男に捨てられ逃げられた事に気付かないで 甘い言葉を信じて 探し追いかけ続けるリーナ・グローヴ

 

   ゴルフ女子プロの小祝さくらの”天然”ぶりは有名 自身その”天然”ぶりに気づかない

   ”自分そのもの”と生きていて 感じていることを話すと ”天然”と言われる 社会との微妙な乖離 その現実が分からない

 

   週末を仲間のように町に出て遊ぼうとせず 仕事と教会だけに堅実にストイックに生きている30歳の男

   バイロン・バンチが 突然 恋のとりこになってしまう

   臨月真近の身体の 彼氏を探し追いかけているリーナ・グローヴに、、、、、