”自己に生きる”は一般世間と対立軸になる
例えば アルベール・カミュ「異邦人」の主人公ムルソー
彼は 世間社会のあらゆる価値基準から遠くにいて 自分の感性に沿ってのみ生きている
友達にはよく声をかけるし 大好きな夏の季節には 女友達と連れ立って海水浴に興じる 単純で善良な好青年
ある時 偶然の諸要素が重なり 友達との付き合いから町のチンピラと喧嘩になり 相手を殺してしまう
あまりにも暑かったこともあり ピストルの引き金を多数引いてしまう
事件は養老院に預けていた母親が亡くなった日の翌日で 女友達と映画を見た後だった
裁判になり ムルソーは 陪審員により死刑を宣告される
理由は 母親の葬式の翌日に女友達と映画を見に行ったこと
ピストルの引き金を多数引いて殺したこと
”死刑”
社会世間の伝統的な価値基準を逸脱する人間”異邦人”
”異邦人”は
”死刑”
ムルソーは監獄で 教誨師を断る
改悛しない
”自己のまま”
宇宙に入ることを選択する
* 「異邦人」を発表して華々しくデビューしたアルベール・カミュはその後 「異邦人」の対立軸の「社会人」の苦悩を描いた「ペスト」によりノーベル文学賞受賞