
1月6日のキリストの公現祭に、フランスでは家庭で「ガレット・デ・ロワ」(王様のケーキ)という パイ菓子をいただきます。
フランジパーヌというカスタードとアーモンドクリームを合わせた贅沢なクリームが入ったこのパイの中には、ひとつだけ 陶器の人形がしのばせてあるんです。
切り分けていただいたときに、その人形が入っているパイが渡った人がその日の王様となり、祝福を受けます。
そして、それはその年 一年続く といわれ、とてもとても 素晴らしく、伝統的な、一年の始まりには欠かせないお菓子。
これは、その中に入っている陶器の人形「フェーヴ」といわれるものです。
日本では、公現祭を祝う習慣もなければ、お菓子にこのようなものを入れたりすることは出来ないので、なかなか目にすることはありませんが、フランスでは年一度のしきたりなのです。
フランスに住んでいた2000年の年、身をもって この日を体験(?)することが出来ました。今でもこの日の街の光景が目に焼きついて離れません。
ケーキ屋さん、パン屋さんには ずらりと「ガレット・デ・ロワ」が並べられています。
私が好きだった 美味しいパン屋さんには、店の外までずらり長蛇の列が出来ていました。みんな 家族で頂くこのお菓子を買いに来ているのです。しかも 大きさも様々。一人分から、2人分、4人分・・・かなり大きなものまでそろっていて、買うときに「何人分?」と 聞かれるのです。私も、どれだけの時間だったのか・・その列に並んで、お友達と頂く2人分を買いました。

私が フランスにお菓子を勉強に行って、「お菓子をやれて良かった」と、心から感じた、感激の出来事のひとつです。
明日、希望してくれた生徒さんと共に、「ガレット・デ・ロワのティーパーティー」を開きます。
もちろん、フェーヴを入れて、私が 気持ちを込めて作ったお菓子で。