上高地帝国ホテル
今回泊まっていたホテルは上高地の帝国ホテルでした従業員の皆さんは、災害が起きてからも冷静で、丁寧で、いつもどおりのサービスをしてくださいました。そして、必要な情報を必要なときに的確にくださいました。その姿勢に私も「きっと大丈夫」と思うことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいですそして、私にとって本当に思いがけない出来事だったので、帝国ホテルの思い出と共に今回の滞在をまとめておきたいと思います23日11時半頃に「沢渡(さわんど)」という駐車場に車を止めて、タクシーに乗り換えました。上に行くにつれ雨が強くなってきました。運転手さんは「良くあることで慣れてます」と笑顔。私たちも笑顔^^川の向こうで土砂が一部崩れているところが。「自然を残すためになおす必要のない箇所はそのままなんです」とのこと。自然との共存なのだと家族でびっくりして納得しました。池も川も雨でにごっていましたが、普段は透き通るようにきれいとのこと。12頃にホテルに到着して、さっそくランチ。「上高地帝国ホテル特製ハヤシライス」をいただきましたとってもおいしかったです! チェックインまで時間があったので、読書室へこのクラシックな雰囲気がとても素敵でした!フランスの本、小説、絵本などありました。晴れていたら外で読書も素敵だと思います。13時半頃に部屋へ。廊下で一瞬電気が消えました。「誰かスイッチ押しちゃったのかなぁ」なんてのんきです。すぐに自家発電の非常灯がついて、とても明るくなりました。後から知ったのですが、この時に土砂崩れがあり上高地一帯が停電に。まったく電気がつかなかったホテルもあったとのことです。停電らしいから早めにお風呂にはいったものの、テレビも電話もつながらないし、外は雨なのでチビちゃんとお昼ね。明日帰れないかもなんて知らないのでのんきです。。「ロビーで帰れないお客さんがいるよ」と家族。そのとき初めて道がふさがれたことを知りました。しばらくしてロビーに行くとお客さんもいなかったので、「あ。帰れたんだなぁ」なんてまたのんきに思ってました。でもまだ復旧のめどはたっていないとのこと。夜ご飯は和食をいただきました。これも本当においしかったです。そして、サービスをしてくださった従業員の方々も本当に明るくて、「明日は道路大丈夫ですよ!」といってくださったので不安な気持ちが吹き飛びました夜は非常灯がついていて明るすぎるほどでした。本当にありがたい明かりでした。テレビもないので、お絵かきをしてあそんだりしました。ちびちゃんの好きなアンパンマン描けるようにしておいてよかった。。次の日の朝。復旧は夕方以降になるかもとのこと。自家発電の燃料も夕方までしかもたないとのことだったので、夜になる前に帰りたいと思いました。 朝ごはんの前に外へ。なんとホテルの前には野生のサルたちが!ちょっと見にくいですが、木の上にいる黒いのもサルです。地上にも降りてきて、草を食べていました。上高地では、動物にえさをあげることは禁止されているので、サルたちは人間をおそったりしないとのこと。カメラを向けるとこっちを見るけど、近づいてきたりしません。赤ちゃん連れのおさるさんもいて、うちのちびすけも大喜び。サルたちに会えただけでもきてよかったと思えました。そして、写真をとっていると足元になにか感触が・・・「葉っぱ?」とおもったらおおきなおおきなカエルがひっくりかえってのびてました!!思わず「ぎゃーー」っと家族をおいて猛ダッシュしてしまいました。。あんなに大きなカエルを見たのははじめてでした。深い深い自然に驚き、癒されたひと時でした。 ロビー横のラウンジでは肌寒いときに暖炉も燃えています。ぱちぱちと良い香り。木のぬくもりを感じる建物も素敵です。朝ごはんを食べ終えると、いつ出発してもいいように荷造りを。そして、しばしお部屋で休憩。 24日は雨が上がっていたので、部屋から緑がきれいに見えましたそんななか、外ではヘリが飛んでいました。「復旧作業のヘリかな?」「いやホテルに降りそうなくらい近い」なんて、全く状況が分かりませんでした。ホテルの方は情報が出るたびに、情報をプリントした紙を各部屋に配ってくださいました。緊急用の衛星電話も用意されていて、それが唯一連絡を取る手段でした。その電話を使って、家族に電話すると「テレビで見て心配していた」とのこと。こちらとしてはそんな大事と思っていなかったので、驚きました。ホテルの方が外に電話をしているのが聞こえてきて、(唯一かかる衛星電話はひとつだけで、外においてあるので、どうしても聞こえてきちゃうんです)「宿泊客は昨日から特にパニックもなく冷静です。ただ自家発電は夕方までなので、これからどうなるか・・」とのこと。「え!パニックになるようなことだったの~??」またまたびっくり。これからどうなるか分からないので、早めの昼食を食べました。ラウンジで食べたミックスサンドはとても美味しくて、きれいで、気持ちを癒してくれました。そして、部屋に戻ろうとすると、13時半に出発できるとの情報が。13時の集合まであと10分。急いで支度をしました。とにかく涼しかったので、長袖を重ね着して、もってきたレインコートを着ました。ちびちゃんも着れるだけ着て、レインコートを。そして、土砂の中を歩くかもしれないとのことだったので、スニーカーに履き替えました。降りていくとすぐにホテルの車が迎えに来ました。従業員の方みなさんで玄関で送ってくださいました。そしてそのまま土砂のところまで行くと思ったら、観光バスがたくさん停まっているバスターミナルへ。「このバスでは下山しません」と外ではアナウンス。「え?おりれないのかな」と不安に。ホテルの方はそこで私たちをおろしてくださり、待っていたまたホテルの方が、荷物を持って誘導してくださいました。情報を収集して、案内してくださり本当に有難かったです。少し待合室で待つと、バスで下山できることになりまたホテルの方がバスまで案内してくださいました。たくさんの観光客(はとバスなどでも来てました)、登山客の方が広いバスターミナルにいらっしゃいました。こんなに上高地に人がいたことをはじめて知りました。消防局、環境省などの省庁の方、警察なと復旧に当たっていらっしゃる方もたくさんいました。はじめ私たちがきた長野側とは別の飛騨方面にしか降りれないとのことだったので、車は下に残して岐阜から帰ることにしていました。しかし、1Kmくらい歩けば車のある沢渡側にも降りれるかもしれないとのことで、沢渡方面のバスに乗ることにしました。(飛騨側、沢渡側と2台のバスが出ていました。)ちびちゃんは歩かせると大変なので、だっこひもでだっこをしました。バスは満員。隣にいる親子連れとお話しました。そのご家族は日帰りの予定が帰れなくなったとのことでした。明るいご家族で、話していて心が安らぎました。そして、少し行ったところでバスを降りました。そこからは歩きです。国道を歩きました。ところどころ石や土が散らばっていましたが、下りだったのでそれほど大変ではなかったです。ただ、主人は親子の大きな荷物をもって歩くのが限界にきていました。そんな中、後ろを歩いていた外国人の方がご自身のスーツケースに荷物をのせてくださるとのこと!本当に本当にうれしい瞬間でした。その外国人お二人はチェコからビジネスで来ていて、空いていた二日間で上高地に来たとのことでした。明日には東京から祖国に帰るとのこと。こんな異国に来て、こんな災害にあってさぞかし不安だったことと思います。そんななかでも明るく接してくださって、そして親切にしてくださって涙が出るほどうれしかったです。無事に元気に祖国に戻られ、ご家族と楽しく過ごされていますように。そのお二人は日本語が分からなかったので、情報が出るたびなんとかつたない英語で伝えました。自分の英語力がもっとあったら良かったのに。。と心底思ったので、これから勉強したいです。 そして、土砂崩れのあったトンネル付近まで歩いてきました。ここからまたバスにすぐ乗れると思っていたのですが、なぜか前のバスの人たちが引き返してくる!「土砂がトンネルまで流れてくるかもしれないから、バスに乗れない」とアナウンス。「私どうなってしまうんだろう。。」と本当に不安になりました。災害用にホイッスルを持ってきていたので、それをポケットに入れました。できることはそれくらいでした。「やはり飛騨方面にいっていればよかったかな」とも思いました。(後から分かったのは、どちらの方面もここまでは同じ道でした)でも30分くらい待つとバスに乗れるということがわかりほっとしました。上空にはヘリ、どこからかテレビカメラや新聞社のカメラマンらしき人たちがこちらを撮っています。緊急物資を運んでいるようなヘリも飛んでいます。みんなこれにはびっくりでした。情報が今までなかったので、まさか自分たちが被災者とは思っていなかったからです。バスに乗ってトンネルを通ると、中は大きな石がたくさん落ちていてガタガタ揺れました。運転手さんも真剣でした。民間のバス会社からバスや運転士さんがいらしていたようです。危険な中迎えに来てくださり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。トンネルを抜けるとまたバスを降り、歩きました。またたくさんの復旧作業の方がいらっしゃいました。架設の橋を渡って、またバスに乗りました。しかし、バスに乗っても出発する気配がなくまた不安になりました。雨も降ってきたので、早く下に下りたかったからです。バス会社の方に状況を聞くと、「まだ乗れるので、後ろのバスから来る人を待っているとのこと」「本当にお待たせして申し訳ありません。」とまで言って下さり、「そんな、、悪いのは誰でもないのに。。」とこちらが申し訳ない気持ちになりました。そして30分くらい待つと沢渡行きのバスに乗り換えるとのこと。先ほどのチェコから来たビジネスマンの方は違う方面だったので、ここでお別れ。ご自身の荷物もたくさんあるのに、「スーパーマンだから大丈夫」とここまで私たちの荷物を笑顔でもってくださいました。私も「サンキューベリーマッチ」くらいしか言えなくてもどかしかったけど、笑顔でさよならを言いました。本当にありがとうございました!!沢渡行きのバスに乗ると、運転手さんはさっき「申し訳ありません」といってくださった方。とても明るくて、「せっかく観光にきたんだから」と観光バス風に案内してくださいました。「あの上のほうに見える滝はいつもはもっと小さいです。」「下のほうに見えるのは旧道です」「こちらは~という川です」などなどとても明るくてバスの中は笑顔に包まれました。そして、「昨日のニュースで1200人が上高地に孤立とありましたよ」との一言にはみんなびっくりして笑い声が。まさかそんな大それたニュースになっているなんてみんな知らなかったからです。途中トンネルをぬめると携帯電話が鳴り始めました。電気、電波が通っている地域まで来れてやっとほっとしました。そして車のあるところにも無事到着。そこにも取材がきていました。ここまで来て本当に安心したので、笑顔で答えることができました。そして松本まで下ると、大きな大きな虹が出ていました ずっとずっと虹を見ていると、虹の端っこまで見えて、その端っこはどこかの街に届いていました。あの街から虹はどう見えたんだろうと思いました。あれから帰ってきて、新聞などをみると、ホテルの従業員の方々は山に残っていらっしゃるとの事でした。皆さん不自由なく生活されていることを祈っています。ほっとした今、明るく、優しく、冷静な帝国ホテルの皆様、復旧に当たってくださった皆様、途中で出会った皆様、それぞれの顔が思い出されます。自然や人と深く触れ合うことのできた旅でした。上高地の自然、そして上高地帝国ホテルはとても素晴らしかったので、また穏やかな日に再び訪れたいです。そして、今回山でもっていて良かったもの。もって行けばよかったものを書き留めておきたいと思います。<持っていて良かったもの>○ 子供の薬(熱用の座薬)、体温計○ レインコート○ スニーカー○ 長袖(ヒートテック、カーディガン、シャツ)○ 抱っこ紐○ 懐中電灯・ホイッスルなどがついたキーホルダー○ タオル(下山するときに雨が降ったり、砂が飛んできたので子供の頭にかぶせました)<持っていけばよかったもの>○ おむつ(1泊分しかもっていなかったので、もっと持っていけばよかったです。ホテルでももらえました)○ 防寒用のシート(今回それほど寒い思いはしなかったですが、外で待つことになったら必要だと思いました)○ 子供の好きなもの(絵本・お菓子など。)災害対策も自分の中で見直したいと思いました。