『霜降り明星のオールナイトニッポンゼロ』
『霜降り明星のだましうち』
今、自分の中で最も面白いと思うラジオ番組の1つです。
芸能界、「若手」枠の年齢層が上昇する昨今、僕が7年近く聞いている“お笑い深夜ラジオ”は、ほとんどがふた回り上の世代の芸人さんがパーソナリティだった。
かつて聴いていたレギュラー番組として最も若かったのは、ラブレターズのオールナイトニッポンゼロだろうか?それでも、自分より10個も上である。
そんな中で、若い世代の台頭。
終わって残念ですが、「四千頭身のオールナイトニッポンゼロ」も面白かった。彼らとは全く話したこともないし、僕自身も認識されてはいないが、ひっそりと作家コースに通っていたワタナベの養成所では同期となるので、活躍が嬉しい。当時からダントツで面白かった。いつか一緒に仕事をしたいものです。
そして、学年でいえば1つ上になる霜降り明星。ラジオを聴いていて驚くのは、“あるある”情報の限りない若さ。「ブルーアイズアルティメットドラゴン」「スマブラのネスの動き」「朝にやっていたアニメ・星のカービィ」「かいけつゾロリ」「ベイブレード」「カートゥーンネットワーク」「あたしンち」…。40代にはさっぱりだろう。
これまで、ラジオを聴くときは“大人たちの深夜のおしゃべり”をこっそり聞くという、ある種の背伸び?同級生たちに向けての優越感があったように思う。教室の外に飛び出して、廊下から同級生たちを眺めて、「子供だな」なんて思う。
それが。霜降り明星のラジオに出てくる話題、コンテンツ、感性は、限りなく自分が「教室の中」で、「青春の中」で育て、育んできたものだ。ドアに鍵をかけて、机の上から仁王立ちで大人を眺め、「僕たちのものです」とふんぞり返る、そんな気持ちになる。ラジオを聴いていて、初めての感覚だ。
「知識」のあるあると、「思い起こす」あるあるの違いである。ガイルで待つのは知ってても、ゲームセンターでプレイをしたことはないのだ。
『芸人芸人芸人』というムック本を読んだ。
せいやさんは嫌がるが、『お笑い第7世代』いわゆる「平成生まれ」の芸人たちの勢いは、自明のことだろう。
面白い芸人さんは星の数ほどいるが、いまこの「7」の波にのって、世代で芸能界に殴り込む、そんなムーブメントの予感に、目の奥がピリピリとするような高揚感を感じています。
3年前、大好きなテレビ・ラジオの海に、職業という船で乗り込んだ。中に入って、思わぬ波の高さに溺れたり、知らなかった海底の美しさを肉眼で捉えたりもした。
船乗りの多くは『大人』。僕はまだ『若造』のレッテルを、剥がれぬように剥がれぬようにと、何度も糊を塗りなおしては、顔に貼る。楽だからだ。日焼けもしないし。
先を行く船の轍に追いすがる日々。横並び、ピカピカヨットが増えるほど、頼もしいのはなぜだろう。
若さを「未熟」と捉えることしかできなかった自分ですが、少し向こう見ずに、帆を張ってみようかな、なんて思い始めてもいます。どうせ最初は、みんな何も出来なかったんだから。
方向は間違えても、まずは手のシワが焦げ崩れるほどに目一杯綱を引いて、帆を張る。また一隻、水色の表紙に、小さなヨットを浮かべて。恥ずかしくなるたとえですが、船は向かい風に進みます。恥ずかしくなるたとえですが、25歳なものですから。