夜中に新宿駅を歩く
コンビニのおにぎりを食べながら
向かいから、頭に大きな黒い耳をつけた、明らかに某夢の国帰りの女子グループ
たくさんお土産を抱えてる
疲れてる
目が合った
殺すような、殺されたような目!
すれ違う
「俺が彼女たちの1日を終わらせちゃったんだなぁ」と思いました。
朝から仲の良い友達と待ち合わせて、軽やかな男性のナレーションを浴びながら大きな門をくぐり、たくさんのキャラクターやアトラクションに目を輝かせながら、社会で受ける日頃のストレスを発散したのだろう。
で、帰宅。
新宿駅。
かろうじて頭に植えたままの黒い丸2つが、彼女たちの夢を引き延ばしていました。
そこに現れた男!
頭の先からつま先まで、明らかに全て3年以上使いこなしてきた、色素の薄い衣服。
コンビニで買った明太子おにぎりを、素手で持たないように丁寧にビニールで包んで食べながら、早足で改札に向かう
しかもあろうことか
目を合わせてきた
気持ち悪い!
社会か!
と彼女たちはツッコまざるを得ない。
お前は私たちが今日1日かけて必死に遠ざけてきた、見ないフリをしてきた「日頃の社会か」と。
「カーン」と鳴って休日終了。
明太子ゴング。
彼女たちにとって僕の姿は、これ以上ないほど夢から対極で、キラめいた目を覚まさせる「現実ネタバラシ」だったろう。「月曜日からの使者」だ。
胡蝶の夢。
僕は人間、君は蝶。
ぱっと見はみんな
ほとんど蛾だったけども。
明日からのタワーオブ社会。
どんな高さから落とされても
絶叫は心の中で留めつつ
一緒に頑張りましょう。
もう耳は外した方がいいよ。
恥ずかしいから。