1987年7月だったと思う。

安いパッケージツアーでロサンゼルスへ旅行に来た。

日本はバブル全盛期で
旅行先はどこでも良かった。


きっかけは友人とグアムのパンフレットを貰いにJTBへ。
そこでロサンゼルス格安ツアーというのを見つけた。

グアムより安かったのでそこで決めた。


安いツアーだった。市内観光後、オプショナルツアーを申し込む時
ガイドさんが「アメリカ来たならグランドキャニオンに行かなきゃ」と言う。

当時、インターネットもなく旅行番組も少なく
グランドキャニオンすら知らなかった。

今でもアメリカ人の殆どがグランドキャニオンを知らないと言う。
アメリカは広い。興味のない事は全く知らない。

田舎へ行くと自分の小さな町から出た事ない人が多い。
ロサンゼルスなんて行った事ないよという人が殆どなんだ。


日本人の私だって屋久島の杉も知らないし富岡製糸工場は社会の教科書で見ただけだし。

まあ、それはいい。


グランドキャニオン知らずに全額はたいてツアーを申し込み
ここで行かなきゃもう来る事もないと思い切って

小さなプロペラ機に乗せられ行ったんだ。





あれから28年。

年がばれる。




最後だと思って大金はたいてここへ来たのに

あれから両親を連れてきたり
グランドサークル旅行で来たり
娘をつれて飛行機でも車でも。



来ようと思えば何回でも来れるもんだ。


行きたいと思っても行けないのは
そこまでその時の自分に必要がないから。

そういう場所いっぱいある。
行きたいけど今そこまで必要ではない。
いつか行けたらいい。


私は全部を捨ててアメリカへ来た。

グランドキャニオンがあるアメリカに魅せられて。



「グランドキャニオンのツアーガイドをしないか?」と
アメリカに来て3年くらいで誘われた。


若い女性がいいという。


毎日ロサンゼルスからお客さんと飛行機に乗って
バスに乗ってバスガイド。

楽しそうじゃないか。

毎日行けるんだぞ。


でも悩みに悩んで断った。



男だ。




私はまだ若くてアホだった。

navajo point
コロラド川が綺麗に見える navajo point

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