実は俺、上京する前の約一年間、美容師の卵でした。

ウチの実家が美容院やってて両親ともに美容師。

当然、バンドで結果が出せてない状況だったんで心配されてた。



「こんなんで将来どうするんだ!」とか


「しっかり地に足を着けて物事を考えろ!」とか



「いつまで続けるんだ!」とか。



ウチの両親は真面目な人でさ。

「榊原家の突然変異だー!」とも言われたなぁ。笑




まぁ親としたら当たり前の事言ってるって俺も理解してるから、余計耳が痛かった。




で、何度もぶつかってさ。

しっかりした将来への道を歩んで欲しい両親と、La-Vieを続けたい俺。



で、お互いの妥協案として持ち上がったのが美容師の学校に通う事。

まぁ、しょうがないなと思いながら俺は美容師の学校とLa-Vieを両立させる事にした。






これが甘かった。笑






学校って言っても専門学校ではなくて、実際に経験を積んでいく、いわば訓練学校みたいな所。

学校がサロンを経営してて、そこで働いて実技を磨いていって約一年間で基礎を身につける。

普通はね、1人前の美容師になるには5年ぐらいかかるもので。

ここは、1人前までは、いかないまでも一年間でかなりの技術を詰め込むものだから

当然、全寮制で練習量も半端じゃない。

休みなんてまったく無いんだから。

でも、それじゃあLa-Vieとは両立出来ないよね。

それで俺は入学する時に一番エラい先生に言いました。



「俺、バンドやってます。美容師の勉強とバンドどっちもやりたいんすけどいいっすか?」




先生は少し考えてから




「バンドの方は、ほどほどにね。榊原君もイイ歳だからその辺わきまえて行動するように。

それと他の生徒達に悪影響与えるからバンドやってる事は誰にも言わないように。」





こうしてLa-Vieと美容師の過酷な二股生活が始まりました。





つづく。


マサアキ