la-trombaのブログ
- 最近、自分の予知能力に我ながら驚いている。3~5年前に想像していたことが次々に現実となっているのだ。詳細に記すことは問題があるので避けるが、マクロ、ミクロレベルでの現実の出来事に我ながら驚く日々である。
- そのような状況下、久しぶりにトッドの一冊を手にした。「帝国以後」以来だろう。元々Le Mondeに在籍していたという点を踏まえて、読んでいく必要はあるのかもしれない。
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- トッドは高名な歴史学者であるエマニュエル・ル=ラデュリの直弟子で、統計やある種の規則性の観察を通じて長期的傾向の分析を行うアナール派の手法を用いてアラブ革命が発生したメカニズムを読み解いていく。
- 日本を含む非イスラム諸国28か国、イスラム諸国21か国をサンプルとして調査した結果、識字率が向上することによって、一般民衆が政治の世界での出来事をより詳細に知ることができるようになり、それが民衆の政治への参加、晩婚化、少子化と繋がるというもの。要するにマルサス主義を応用したモデルを打ち立てて説明しているわけだ。この説明には首肯できると思った。
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- それでは、中国の今後をどのように分析しているのかと思うと、「中国共産党の統制の下で、輸出が大きな役割を果たし続ける中で、生活水準の上昇が実現するそのあり方は、根本的に中国での民主主義の出現にブレーキをかけるのではないか、といった自問がなされることは決してありません。」と、歯切れが悪くて、翻訳に原因があるのかもしれないが若干意味不明である。
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- どれだけ立派なモデルを作ったとしても、それで全てが説明できるわけではない。中国については、共産党政権下で資本主義を導入したり、多民族国家であったりと、トッドのモデルでは説明不可能な変数を考慮しなければ説明が困難なのではないかと思った。
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- 最後に、初めて学んだのであるが、エジプトでは家族を閉鎖的に保つために、内婚率が低下したとはいえ未だに15%ということ。つまり、父系の「いとこ」と結婚するケースが多いということだ。これにより、閉ざされた家族集団が生まれ、外部への開放圧力が低減されるということだ。トッドによるこの説明には驚かされた。
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