ご無沙汰しています。

耐え難い猛烈な暑さが続いています。

７月に開催した「やさしく分かる楽典レッスン」は、無事終了しました。参加してくださった生徒さん、保護者の皆さま、大変お疲れ様でした。

案の定、やりたいこと、お話ししたいことの半分も出来ませんでしたが…小さい生徒さんも最後まで静かに聞いてくれて助かりました。ありがとうございました。

現在、レッスンでは「作曲コンサート」のための動画撮影の真っ最中。渾身の？自作曲、演奏により生命が吹き込まれるわけですから、頑張って下さいね。

毎年、この暑さの一番厳しい数週間

私は必ず体調を崩し(夏バテ)、今年も同じくです。

夏のお仕事がいつもより少ないとはいえ、

かなりへばってます。

夏休みまであと約１週間、何とか乗り切って、9日間で気力も体力も回復させたいと思います。

８月も後半になれば、朝晩は少し楽になりますしね。

そんな中

今まで通り、「少しでもいいレッスンがしたい」と、

指導書を読んだりYouTubeを見たりしています。

工夫と熱意に満ちた、様々な指導法

なるほど…と思うけど

なかなか、簡単にその通り上手くは行きません。

ですが、良いと思ったら何でもやってみること

その繰り返しや積み重ねや組み合わせで、何か、別の良い結果につながるかもしれないし、

自分の中に少しでも落とし込めることが出来れば、自分の指導の仕方の変化、バージョンアップが期待出来る。

レッスンをしている以上

とにかく、「自分の成長も止めるまい」という思いが、

いつも自分の中に強迫観念のようにあります。

「練習しなきゃ」も強迫観念の一種

ですが、私の頭の中は

こんな思いがぐるぐると巡っています。

本当に、生徒さんのことを考えると、どうなのか

本当に、音楽のことを考えると、どうなのか

本当に、自分の思いを考えると、どうなのか

昨今の、ピアノ教育事情？

ピアノの早期教育

コンクール

グレードテスト

はたまた、ピアノのレッスン自体にも

最近は

何だか疑問だらけなんです。

こんなふうじゃだめなのかな　疑問は常に持つべきではあるけど

私が育てたいのは

また育てることが出来る(と思っている)のは、

ピアノの音色を愛し、

ピアノで音楽を奏でることが好きな人

「音楽」で

自分を喜ばせたり癒したり

高めたり出来る人

「音楽」を楽しみ、「音楽」で幸せになれる、

「音楽愛好家」(勝手に「音楽人」と呼んでいます)

そんな、「音楽人」になったなぁ

そう感じる、生徒さんの顔を思い浮かべてみると

ピアノのレヴェル自体は、あまり関係ないようです。

共通するのは、高3とか大学生まで

長くレッスンを続けてくれた人ばかりであること

どの人にも、何というか、ピアノに対して

独自の世界観？があったこと

これ重要かもしれない

そして、そのお母様方が

「ピアノの存在」を大切にして下さっていたことです。

テキストをどんどん先に進むことや、期限までに焦ってやったり、まだ難しいことを無理やり詰め込んだり。目の前にある結果を得ることを重視するために、ないがしろになってしまう大切なことは、実は多いです。

普段のレッスンでは、ピアノを弾いたり、ソルフェージュやワークをしたり、その時の課題をしっかり楽しく出来ればそれで十分なのですが、それだけではなく

音楽にまつわる素敵なエピソードや、素晴らしい曲の数々、作曲家の偉大さを紹介したり、音楽の深い話をちらっとしたりして、音楽の知識(雑学？)を豊かにしたり

私の、これまでのとっておきの音楽体験の数々を聞いてもらったり、生徒さんからも、それもたくさん聞き出して、意見を交換したり、共感し合う

そんな、豊かな「余白」の時間も積み重ねながら、生徒さんの音楽への興味、新たな音楽体験へのきっかけを作り、生徒さんの中の音楽やピアノに対する思いを大きく膨らませ、憧れや理想を高めたい…と思っています。

それが、ただ形だけやっているとか、何かのためにやっているとか、惰性でやっていることに、自身から真に必要性を感じ、本当の意味で自発的に行えるようにするための原動力、エネルギー源となるのです。

人から与えられた音楽ではなく、自分の中に音楽を育てなければいけないのです。それが自分の演奏も育て、自分の豊かな音楽人生を構築して行くのだと思います。

残念ながら、レッスンをいつも追われるようにバタバタとやり過ごすだけで、それが十分に出来なかった人もいます。ですが、先ほど思い浮かんだ生徒さんたちは、皆、そんな「余白」の時間もきちんと取れていた人だったように思うのです。それを、無駄な時間と思う人もいるもしれませんが、長い目で見るとどうでしょうか？お母様方にもぜひ、長い目で見守っていただけたら…

教室は、もちろん「ピアノが弾けるようになるために行くところ」ですが、それだけではなく、出来れば、私はここに来てくれる生徒さん全員に、ピアノを通して、音楽愛好家、「音楽人」に育って欲しいのです。教室を始める時、教室名を「ピアノ教室」にせず「音楽教室」としたのは、そんな思いもあったからなのです。

どんなレッスンにするかは

基本的には、生徒さんの希望に合わせますが

私自身は、こんな思いでいます。

実は今週、ある中学生の生徒さんと話していて

あぁ、この子も立派な「音楽人」になって行くんだろうな…と思ったので、記事にしました。

音楽について語り出したら止まらないし

過去に弾いた曲も、何度も弾いて何度も味わい、

何だかんだと感想？を言いながら楽しんでいる子です。

ストリートピアノも弾くそうです。

前述の理由から、いつも暗譜で弾ける曲がたくさんあるのです。弾いた曲が、いつまでも生きているのです。

そのため、進度は緩やかですが？

彼女は、ピアノを弾いて自分を楽しませることや

楽しい時間を過ごすことに一番重きを置いています。

人に聴いてもらうためとか、何かの目的のためではなく

今は、自分のために弾いています。

小学生の頃はコンクールやグレードテストで自己研鑽していました

時に、それはいわゆる「上手く弾く」ということより、

大切なことだったりするような気もしています。

色々な意味で、初心に帰り

レッスンを見直したいと思っています。

「余白」も大切だということ