皆さん、こんばんは♪






REQU新作

12/1に公開しましたが、早速多くの方にお買い上げ頂いて大変嬉しい限りです。


ご購入された皆様、大変ありがとうございます!




本日はREQU新作公開記念!

ならびにpixivアカウント開設記念として、


もう一本、擬似小説系ではない新作を書いたのでそちらを掲載させていただきました!

pixivさん掲載は初の作品になります。





https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18878370


👆

こちらから本編はお読みください!



またこちらの作品。

普段の擬似小説とは全然違うスタイルで書いていますが、

今回もちょっとだけ参考にしたシチュエーションや描写等、ガイドブックを作ろうかなと思いました。


Amebaをお読みの方、アクセスして頂いた方限定でガイドブックをこちらに載せたいと思います。


興味のある方は是非このまま見ていただければ幸いです。




それでは!

本編流しのガイドブック、どうぞ!









足取りは重いけれど、慣性でその扉を開けていく・・・





ー2日前ー



「バイバイ、さよなら」



あとちょっときっと婚約してくれた。

考え方の癖や、ちょっとした仕草まで彼を好きで好きで仕方なかった。

すごく愛おしかった彼。


大学生の頃はお互い就職して安定してから結婚しようね、って。それから彼は昇進、私は結婚する為に同棲しながら沢山の家事を覚えた。

とても順調に運んでいて彼の仕草からもあと少し…って思っていた矢先。



突然「別れよう」



私にとっては夢にすら感じられない、初めの一言を聞いたときは空想上の世界のお話だった。

なにも変化なく、突拍子に。


彼はわたしの自暴自棄になった最後までも、一言も私の悪口を言わなかった。

ただ「他に好きな人ができたからごめん。」それだけ。


事は早急に運ばれていく。

彼の意志は硬く、その日のうちに別れる事になった。

彼が元々住んでいて、その後2年間同棲していたアパートは名義を私に。彼はその日のうちに荷物をまとめて出て行ってしまった。



夕方、この部屋に残された、私ひとり。

2日間ずっと仕事も休んで泣いていた、引きこもった。

沢山の感情もめぐったけれど、ただただ悲しかった。









時は過ぎて2日。

記憶にないくらい泣き疲れてそのまま寝ていた。


無理な体勢で寝ていたから腰が少し痛い。



人間、泣き疲れて2日間も経つとお腹が空く。

「はぁ、なんで食べなきゃいけないの」と思いながらも、2日ぶりにご飯を作って食べた。


私にとって冷めたご飯。

ただそれでも2日ぶりの白米は自然と美味しかった。

冷めたご飯は頭が整理されるかのように、このアパートにはもう居られないと思わせた。


彼の荷物はもうなくても、彼の匂いがこの部屋には沢山染みついている。

何からなにまで全て思い出の宝物。




私は実家に帰る連絡をして、最初は座りながら物を片づけ始めた。


この時間はとても長かった。

彼との思い出が逐一頭に浮かんだり、色々なシーンが脳内によぎる。


その度に出る涙の数々。

まだまだ全然泣ける。どれだけ涙を流したらいいのか分からなかった。







でもふとした瞬間にその感情は現れた。


床に転がっている物を取る時。

髪が揺れて顔に当たる時。

涙が顔をひたる度に髪がぐしゃぐしゃとへばりつく。


「この髪が邪魔だ」




大学生の付き合い始めの頃、私は当時ボブだった。

今でもあの頃は似合っていたと思う。


彼と付き合い始めてから3ヶ月くらい経った頃。

ふと何気ない会話の続きで、


「髪伸ばしてみたら?」

「ロングの方が可愛いと思う」


この頃はもう彼が大好きだった。

彼のお願いはわたしの希望。それからはずっと伸ばして今の長さに揃えている。

1ヶ月に一度は美容室に通ってトリートメントも欠かさない。

今ここにあるシャンプーもサロン用の高級品。


彼のためにずっときれいにメンテナンスしてきた。

とてもつやつやした綺麗な黒髪。




“それが今はなに?”


彼に一方的に別れられて、

ずっと泣いて、

最後の片付けまで、


ずっと足を引っ張るように邪魔してる。




彼のために伸ばした髪なのになんでよ!

こんなきれいな髪なんてもう要らないのに!




別れは悲しみ・怒り・笑いの3原則でできてるって誰からか聞いた事がある。

私を突然捨てた。ケアもせず勝手に自己中な理由ですぐ出ていった。

残った私は一人きり。


彼に対する怒りという感情が湧いてきた。



友達に「別れた」って連絡をするなら今だったかもしれない。

そうしていれば避けられた。


ただ私は一呼吸置くことはできなかった。




急いで支度をする。

2日間ぐっしゃぐしゃだったから肌も酷いものだけどそんなの関係ない。

メイクもすっぴんのまま。


服装も彼のために準備してたセットが目の前にあったから、そのまま着てしまった。




3日ぶりにアパートを出る。

とにかくこの髪を切りたい、彼に対しての復讐、今はその一心。

私しか損をしない自己中な復讐だとしても。



住宅街をひたすら歩く。

そのうち駅前に繋がる商店街に出た。





いつも通っている美容室。

お洒落な美容室。


そういう所はもう嫌だった。



駅までの通り道、見当はあった。

いつもおばさん達が入っている古臭い美容院。





その店の前に立つ。



「ビューティーサロン あや」



普段は絶対行かない。

それに若い私が入るにはちょっと背が高い。

でもここしかないと思った。


足取りは重いけれど、慣性でその扉を開けていく。

普段通っていたお洒落な美容室とは大違い。



中は予想通りの内装だった。

暗い照明、少し古めかしいアンティークな雰囲気、質素なスタイリングチェア、ただ貼られてるだけの鏡、素朴な鏡台代わりのデッキ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




【解説】


イメージはこんな感じです。

アンティークな、改装していない平成初期の頃の美容室。

どこかおしゃれだけど、

明るく木目調の現代的な部屋の雰囲気ではない。



今回はこんな美容室/美容院を選んでみました。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ただ一つだけ予想外だったのはおばさんと言われるお客はいなく、小学生の女の子っぽい子がカットされていた。



カットしていた個性的である意味お洒落なおばさんが声をかけてくる。



「いらっしゃい」

「お客さん、予約なしの方?」


「はい」


「ごめんね、、この美容院は予約制なの」


「あっ、えっと・・、そのカットだけでもお願いできませんか?」


「あら、カットだけでいいの?」


「はい」


「シェービングは手が空いてないからできないけども、カットだけなら三恵ちゃんに任せられるわ」

「お家からお電話で呼んであげるから」

「お客さんはそこのソファでお待ちいただけるかしら?」


「はい」




ドア隣の少し長めのソファに座らされた。

こんな古い美容室、おろか洋服屋とかも入った事は一度もなかった。

ただ女の子がカットされていて時がゆっくり過ぎるように。

お洒落な美容室特有の賑やかさ、華やかさはここにはない。今のわたしにも要らなかった。


時折ロングヘアーをすっと触って肩前に持ってくる。一昨日まではこの髪を切ろうなんて一度足りとも思った事はない。

この流して触っている髪が無くなる、実感もないけれど遺恨もない。ただただ子供を撫でるように触り続けている。


そのうちお店に入ってから15分位が経った。

女の子はもう仕上げをしてる頃。


入口から家庭的な花柄のエプロンをした、私よりも少し年上なお姉さんが入ってきた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




【解説】


お子さんがいるお母さんっぽいエプロン。

かつ美容院でも、ちょっと古めのヘアサロンだといる印象です。


シチュエーション的には似合うかな?って思いました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「いらっしゃいませ」

「本日担当させていただく笠井三恵と言います、よろしくお願いします」


(一礼)



「お客さんとてもきれいな髪ですね。バージンヘアでしょうか?」


「あっ、いえ」


「バージンヘアじゃないんですか!?。それでこの髪は本当に美しいですね」


「ありがとうございます」


「今日はカットでよろしかったでしょうか?」


「はい」


「どれくらい切りますか?。毛先揃えるくらい、3cmとか?」

「軽くであればヘアアレンジもできますよ」






「全部切ってください」


「えっ、全部…?」


「とにかくばっさり切りたくて」


「全部ってその、丸刈り・・・」


「あっ、そこまででは」


「良かったです」

「ではこのきれいな髪切ってもよろしいんですね」

「では例えば…髪の艶が活かせるようなボブからロブくらいの長さでは」


「あっ、いえ、もっと…」


「もっとですか?。そうなるともう髪艶は関係なく、バサバサっと切っていい感じでしょうか?」


「はい」



「本当は聞いてよいのか分からないので、おっしゃれない時はそれで大丈夫なのですが、どんなご事情ですか…?」


「・・・実はひどい失恋しちゃって」


「ああっ、ごめんなさい」


「彼のためにずっと伸ばしてきた髪だったので、全部切ってほしいんです」


「肩上で切るような長さがダメなのも…?」


「5年くらい前はボブだったんです、私。そこから彼の好きなように伸ばし始めたので、もう全部過去忘れたくて」


「じゃあ本当にもうこの髪、忘れられるくらい気にならないように全部切るくらいの感じでいっていいんですね」


「はい」


「わかりました」

「じゃあ早いほうがいいわよね。先に切っちゃいましょうか」






お姉さんは真ん中のスタイリングチェアをこっちに向けて、タオル・ケープをワゴンに置いたりせこせこ準備してる。





「はい、それではどうぞ」




隣の女の子のカットが終わった時に私は真ん中の椅子に案内された。

素朴な鏡にきれいなロングヘアーが映る。




シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、………

ちょっとずつ高くなっていく椅子。



足が床につかないところが、もう簡単に降りれないくらい。

もう逃げられもしない。




タオルをつけられ、見慣れないケープもすっぽり巻かれる。

袖を通す仕草をしたけど、袖がないクロス。


やわいきいろがかった、ハワイをイメージしたかのような絵が描かれて。下にはtropicalと英字でかかれてたケープ。



いつもとは違う場面、体験。

手は出ない、柄のついたケープ。


律儀に膝に手を置く。

これでさらに抵抗できなくて、じっと身を一心に委ねるしかない。







それから首にはネックシャッターをつけられた。

美容室で見たことはあったけど、初めてのお地蔵様スタイル。


もう短く切られる用意は万端。

逃げられないし、抵抗もできない。それから思うがままに早くこの髪を切ってほしい。


私はとにかく気持ちが激しく高揚してた。



ダッカールでブロッキングをされて、

ワゴンにあったスプレーで、“プシュ,プシュ” と水を頭にかけられる。


ちょっと冷たい。

普段はシャンプーされてからカットされるから霧吹きで水をかけられるのは新鮮。



お姉さんがシザーポケットからきらきらしたはさみを手に取る。

いよいよその時・・・







「じゃあ切るね」





“ザクリ、ジョキ,ジョキ,ジョキ”






お姉さんの一言でいきなり襟足に冷たいはさみの感触、、。

左までそのままずーっと一直線に。



どんどん切り進む度、

“ばさっ、ばさっ、ばさっ、ばさっ” って聞こえる。


床に落ちる私の重かった髪。


何も音楽のかからないお店の中。

はさみの“ジョキ,ジョキッ” って響きとこだまするかのよう。



バックはブロッキングに分けられた何段かを勢いよくどんどん切られていく。


髪を切りたいって思ってた私にはとっても爽快。

お姉さんの手は緩まない。






バックが全て切り終わったみたいでサイドに回ってきた。


お姉さんはコームで髪をすくって、

伸びきった髪をちょうど耳上くらいでコームを止めて、そこにシザーをあてていきなりバッツリ切る。





“ザクリ、ジョキ,ジョキ,ジョキ,ジョキ”


“ザザザッー”




※イメージ画





「あっ…」



思わず少し小声が漏れてしまう。

長かった髪がケープの上をするするっと流れていった。


それからほぼ見ることのなかった私の右耳が露出した。





お姉さんはどんどんコームですくい、シザーを当てて切ってく。その度に “ザザザー” っとケープの上を髪がずるずる落ちていった。


あんなに長かった髪が…

髪が一直線になって床に落ちていく様を見ていく度、“あああっ” となってしまう。



右耳の後ろ、耳たぶまで露出して、

どんどん後ろの髪もばっさり短く切られてく。


すごい光景すぎて、切られるたび、髪が落ちていくたび、すごくドキドキしてた。






左サイドも同じように。


一気に『ジョギン!』とはさみが切っていく。




最初の顔に一番近い髪はケープの前をするするっと、私の頭から遠ざかるように床へ落ちていった。


50cmくらいもある髪だから、

落ちていく髪とケープの楽観的なハワイの絵がとても見合ってない。



さらに “ジョキ,ジョキ,ジョキ” とあっという間に切り揃えていって、もう耳の出しのすごく短いショートヘアになった。


首から下に伸びてる髪はもうなくてロングの面影はもうそこにはなかった。




「刈り上げもしちゃっていいんですよね」


「えっ、え?、はい」




お姉さんは一声かけるなり、


“ヴィーーーーーン” 

甲高いモーター音が店内に響く。



それは一瞬でバリカンって分かった。

いきなりすぎた。

『えっ、そこまでしちゃうの』って、胸の高鳴りから少し不安心まで出てくる。




「はい、じゃあ下向いてくださいね〜」




お姉さんにがっつり頭を掴まれて押さえつけられた。

下にグイッと向かせられる。





“ヴィーーーーン” 

“ジョリジョリジョリジョリ~”


“ヴィーーーーン” 

“ジョリジョリジョリジョリ~”






どんどん刈り上げされてる。

お姉さんはひたすら襟足から、上に、上にとバリカンを滑らせていく。


頭で手を押さえつけられて惨めな感じと、

バリカンで毛を刈られている音は不安より恐怖感があって、

だけどそんな中で“ジョリジョリジョリ”という音は少し爽快感があった。



バリカンが押し上がる度に少しすっきりする。

もう彼のことなんて記憶にないくらい。







「はい、じゃあこれくらいにしておこっか」




お姉さんの言葉でバリカンのスイッチは切られた。

そのままお姉さんはハサミを持って、再び私の頭を“くいっと”下にさげる。


俯いたまま、襟足をくっと上に向けてるのはなんか少しじれったい。



お姉さんはコームとハサミを持って、

“チャキ,チャキ,チャキ,チャキ,チャキッ” と切り始める。


鋏の切り込む音が耳の間近でする。




下から

“チャキ,チャキ,チャキ,チャキッ”

“チャキ,チャキ,チャキ,チャキッ”


リズミカルなハサミ捌きで、切られてる感が気持ちよかった。

これが本当の刈り上げなんだなって。


エプロン姿のお姉さんの目も本当に真剣そのもの。




それが終わるとお姉さんはギザギザなはさみで髪の量を減らし始めた。



私は生まれつき毛量は多いほう。

それをお姉さんは見切って、どんどん梳いていく。


沢山のふわふわした細かい毛がケープの上に落ちてく。




“シャキ,シャキ,シャキ,シャキ”





ケープの上に降りつもる細かい髪の毛の残骸。

どんどんハワイ絵のケープの上に散らばっていき、描かれてる絵は黒い毛クズで覆われる。



さっきからもうずっと慣れないどころか、インパクトが強すぎることばっかりで、すっかり夢中になっていた。


とにかくすごい、その一言。

今も “シャキシャキ” どんどん切られていく様子。


どんどん厚かった髪が薄くなっていく。

ケープが切られた髪の毛でびっしり覆われるなんて初めての事だった。





そして最後も衝撃的な終わり方をする。



「じゃあ前髪切るね」




ってお姉さんに言われると、

今まで長かった、本当に一番丁寧に眉下でいつも揃えていた前髪。



“ザクリザクリ,ジャキジャキ”



ざっくりと、あっという間に眉上どころかおでこの真ん中くらい、ばっつり切られた。


これには私もびっくり。



さらにお姉さんは梳きはさみに持ち替えて、ひたすら前髪を梳いている。


どんどん顔の前に髪が落ちてくる。

パラパラ、パラパラっと。



眉毛が丸見えになっただけでもすごくドキドキしていた。

それにどんどん厚かった前髪が薄くなっていく。

こんな前髪カットをしたのは今までに1度もない。



手が出ないケープの中で、手や体の衝動を必死に抑えてた。




「はい、これで前髪もすっきりしたね」





お姉さんは見開きの鏡を開く。


「いかがですか?」



そこにはもう昔の自分の面影はなく、全く別人に見えるほどのわたし。



耳はきっちり半分くらい出ていて、後ろもすっきり首が出ている。


前髪はもちろんおでこの真ん中。


それから後ろはちょっとだけ刈り上げもされちゃってる。



おばさんのショートか、男子のヘアスタイルに近い。




でもこれが私の望んだヘアスタイル。








「これで大丈夫です」


「ありがとうございます。すっきりしちゃいましたね」


「はい・・」


「じゃあ頭洗ってから最後にお仕上げしますね」





その後、シャンプーをされた。




再び椅子に戻ってきた時、

扉から一番近い椅子に同じくらいの男性が座っていてカットをされていた。

さっきの私と似てつく光景。


もちろん真ん中の席に案内された為、お隣同士になる。

少しだけ目もあった。



また再び、ハワイチックな薄きいろのケープにふわっと包まれて、ドライヤーでしっかりブローされる。


ショートヘアだから本当に乾くまでが早い。

美容室でしてもらうブローの1/3くらいの時間で終わったんじゃないかってくらいの体感だった。



ブローが終わったちょうどその時、ドライヤーの音の裏でバリカンの音がしていた。

隣の男性がバリカンで刈り上げされている。




「じゃあ最後にお仕上げしますね」





私もまたお姉さんに強く頭を手で押さえつけられて、ぐいっと下げられる。



“カチッ”

“ビィーーーーーーーー”



“ツツツツツッ”




こっちもバリカンで首筋を剃られ始めた。

店内に2台のバリカンがモーター音を響かせて、唸りを上げている。


それはまるで兄妹みたいな。

バリカンが鳴り響く店内はすごく心臓がドキドキする。




途中でビリビリっとネックシャッターを外されて、首の大分下の方まで剃られてく。



そのうちお隣さんのバリカンの方が早く終わった。


私はまだ “ジジジッ” っとひたすら耳の裏の方にシェーバーを当てられている。



ふと思った。

こんな手で抑えつけられ襟足を上に向けて俯いてる姿、美容師さん以外の他人に見られてるって思ったら恥ずかしさしかない。


さっきまでドキドキだったのに、今はハラハラしてた。

それに余計見られてる姿を想像しちゃう。






ようやくペンシェーバーの音が止んだ。

頭を上げる。


反射的にお隣の男性の方に振り向いてしまった。だけど私のことを別に気にしてないみたい。


女性と思われてるかすら怪しいかも。

良かったようで、残念なような、そんな気がした。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【解説】


私の小説でよく出てくる同時バリカンシーン。

個人的にポイント高いシチュエーションなんです。


理容室で切られた事ある人ならきっと分かると思うんですが、

バリカンが2台以上鳴ってる時、

トリマーが鳴ってる時、

バリカンのモーター音の音色が違うから店内に複数響きわたってるんですよね!


それがうずうずさせてくれます🤗



がっつり頭で手を抑えられて、襟足を上に向けてる様子。

女性の襟足ってきれいですよね〜。

ちなみに個人的には手で抑えられてる瞬間は自身はグッときますし、きれいな襟足を見るのも好きです。


中にはこの瞬間が好きな人もいるんじゃないですか?




ちなみに最後の2,3段落は個人的Sっ気出した描写にしてみました。私自身はそんな事ないけど、こういう女性・男性の方もいるかなって…?



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





そんな事は関係なく、

お姉さんは見開きの鏡をもう一度持ってきた。





「はい、こんな感じです。いかがでしょうか?」




お姉さんは見開きの鏡を『どうかな?』と言いたげに、左右にふり動かす。




「大丈夫です」


「ありがとうございました、お疲れ様でした」





今まで私のばっさりカットに付き合ったケープが外される。

今日はスカートだったのをすっかり忘れてた。



大人ちっくなベリーカラーの膝下フレアスカート、白っぽグレーのふんわりゆるニット。

黒のヒールで合わせて、若いながらも大人でエレガントなコーデ。


ロングの時は全然問題なかった。そもそも彼とのデート用に用意していた服だったけれど、今のショートには絶対に似つかない格好。





これも帰りに洋服屋でも寄って、

1からショートに似合う服でも買っていかなきゃな…って。


だってこれからもここに通う気がする。

しばらくはこの刈り上げのショートヘアっていうのも、飽きるまで楽しんでみてもいいかなって思うし。



そんな軽い足取りで、

入るときは重くて慣性で開けていた扉も、帰りはすっと開けられた。




「ありがとうございました〜」





私は一礼して新しい世界に一歩踏み出ていった。






ー終わりー







いかがでしたか?


今回は本当に簡単なガイドブックになっていますが、

小説から皆さんの想像をかき立てるお役になれば幸いと思います。



またpixivやこちらに小説を新規で掲載した際はこのような形でガイドブックを作ろうと思っていますので、応援の程よろしくお願いします📣




それではまた

皆さん、ごきげんよう♪