こんにちは、
佐藤と申します(^O^)


このブログは、わたしの

自己満足ショートストーリーを中心に…
というかそれしかありません(^-^)b←

好き放題書き散らしてます(*^^*)


いつでもどこでも暇潰しに
読んでいただけると嬉しいです(^○^)


しかし一つ注意。
基本的に、BL要素を含みます。
露骨な性描写はありませんが、
とりあえず男の子の恋の相手が
男の子ということです。
お気をつけください(^-^ゞ


では、楽しんでいってください(*^_^*)

つまり腐れ縁だ。
俺と、だいちゃん。


家が向かいで小学校も中学も同じ。

同じくしてバカな俺たちは
一緒に市内の男子校に入学。

三年間2人でつるんで、
やっぱりバカなことをたくさんした。



それが今日で、終わる。

ありがたくもなんともない
禿げたじいさんたちの祝辞が終わって、
真面目なんだか真面目じゃないんだか
よくわからない茶髪のなよっちぃ生徒会長の答辞。


一回、こいつからだいちゃんと一緒に
金巻いたなぁと思うと感慨深くないこともない。
たったの五百円しか持っていなかったのだが。



「りょうー!」

「だいちゃーん!」


ふざけて両手を広げて突進してきた
だいちゃんを、こちらも両手をいっぱいに
広げて受け止める。


「やっと卒業だぜ~」


「そうだなぁ~」

ついに男子校ともお別れ。
むさくるしい野郎共の匂いや、
こいつみたいな骨ばった背中に
手を回すこともなくなる。
あぁ、さらば男たちの園よ。


「そういえばさー、中田が、
卒業なんだから最後にって、
あの階段上ったらしいぜ」

俺から離れて一歩前に立って
そう言っただいちゃんは、
俺より2センチ小さい。
でかくなったなぁだいちゃん。
小学校のときはいつもチビって
バカにされてたのに。


「マジかよ、あそこにあるはしご
俺らが壊しちゃったじゃん。
最後まで登れねぇよ」

「だよなー」

2人で目をあわせて笑う。

「あと、吹奏の林、守山に告ったらしい、さっき」


「おぉ…ついに言ったか。男子校の常だな…」

「付き合うんだってさ」


「ほんとかよ!これでホモカップル、
また一つ誕生…」

男子校にもかかわらずクラス内に
カップルがいるなんて、
別に驚くことじゃない。
俺らというと他校の女子ともさほど
縁がなく、まして男にも興味は
ないので三年間フリーで過ごしてきた。
中学のときはダントツに俺らが
モテたのになーと思うとやはり
男子校を恨むが、だいちゃんが
一緒だったしまぁいっかと思う。



あぁ、だいちゃん。だいち。
お前とも今日でお別れだ。俺は大阪にいくし、
お前は九州で就職だ。


長かったぜ、親友。



でもやっぱ、こうやってまだ
咲かない桜なんかを見ていると、
この腐れ縁が一区切りされることが少し寂しい。


まぁまた正月とかは地元に
帰るだろうし、会えるか。


「じゃ、だいちゃん、
今まで仲良くしてくれてありがとな。
次いつ合えるかわかんねぇけど…またな」

きびすを返して歩き出す。


「うん、4月からはおれも大阪だし、
引っ越しおわったらすぐ行くわ」


校門を出ようとした足を止めた。
…は?


「…え、九州は?」


にやっとだいちゃんが笑う。

「そんなの嘘じゃん」


…なんで?

「おれ九州行くっていったら、
りょう悲しむかと思ったけど、
全然そんなことないし。つまんねー」


「じゃあお前就職は!?」


「…りょうと同じ、松田工業」


いたずらっ子みたいに笑う。


どうやら縁は切れないらしい。


ひゅっとまだ肌寒い風が、
桜の咲くのを促すように吹いた。


寝むれないとき、
みんなどうするのだろう?



俺は、隣で寝てる
こいつのことを考える。

(冷たいな…)
さっきまで、あんなに
熱く火照っていた体が、
俺に回されていた腕が、
静かに胸の上で上下している。

頬にふれると、邪魔をするな、
と言うようにギュッと目をつぶる。


黒髪を指に絡ませながら、
感じるいとおしさ。


こいつがいなくなったらどうしよう。

俺はどうなるんだろう。



大好きだった。
そう、大好きだった。




次の朝、達也はいなくなった。





「よっ!信!」

「…はよ」

自転車で軽快に過ぎていく同級生たちを
とろとろ歩きながら見送る。

あれから半年たった。
大学三年生だった俺も、もう四年生だ。
桜がちって、緑の覆い茂る葉っぱばかりの
並木道は、大学の門へと続いている。

あの日の朝、すぐに達也に電話をかけた。
女が出た。
「達也なら、私と一緒にいるわ、
今お風呂にいってるけど。
何か伝えておこうか?」


何も答えずに、そのまま切った。

噂を聞いたことがある。
達也には地元に美人の彼女がいて、
彼女は病気で入院してるらしい。
でも俺は信じなかった。
だって、俺と一緒にいたから。
クリスマスも正月も一緒にいて、体も重ねた。
一年だ。そこに他の女の入る余地があるか?


それから何度かけても達也が
電話に出ることはなかった。
もちろんあの女も。
俺はケータイを変えた。
アドレスも、番号も。
部屋は…達也と住んでたときのままだ。
…情けな。





「これ、なんなの?」
特に興味もないけど、
何も聞くことないし、
というふうに窓際の
サボテンを指差す、今の、俺の彼女。

「…ただの観葉植物」

言いながら、押し倒して舌を絡ませ、
素早く服をたくしあげてホックを外す。

それは達也が買ってきたやつだ。

『なぁ、サボテンてさ、砂漠で
生きていくために、トゲトゲあるんだぜ、
知らなかったろ?おれの勝ち!』


(…知るか)




「…んっ、は」

女が漏らす吐息を、
口をふさいで押し殺させる。

声をたてるな。
…達也じゃない。



いつ、帰ってくる?





「…であるから、1452年の…」

世界史の授業ほど退屈な
ものがあるのだろうか。
履修科目にあるのが疑問で仕方ない。


「おーい、なに、ぼーっとしてんの?」

隣に座ったのは、学科が一緒の篠田。

「別に…」

「そういや、お前きいた?
達也を街で見たらしいぜ、高山が。
お前ら仲良かったからさ、
教えてやろうとおもっ…おい、信!?」

ドアを蹴破らんばかりに飛びだした俺は、
教授の怒鳴り声もにも振り向かず、走った。

街ってどこだ。






「はは…、バカみてぇ」

家に帰った俺は、ベッドに倒れ込んだ。

全部回った。新宿も、渋谷も、全部。
いるわけない。見つかるわけないんだ。
俺はもう用がなくなったから、
あいつはいなくなった。それだけ。



「…くっ、っ…」
声を押し殺して泣いた。

もう諦めよう。
もう、終わりに。

窓際のサボテンが床に落ちて、割れていた。






あれから五年。
立派に社会人になった俺には、今、彼女がいる。
もう声を出させないなんてことはしない。
いい女だ。優しくて、器用で、賢い。
俺にはもったいない。


「いってきます」

「うん、気を付けてね」



先に家を出た俺は



…見つけた。




達也だ。
ジーンズにジャケットという
シンプルな服装だが、短めの黒髪。


「たつ、や…」

その男は、ぱっと振りかえった。
「信…」


俺は、反対に歩き出した。
今さら何もない。
腹も立たない。
会社に遅刻する。


「信!待って、ごめん、あの時…」

駆け寄ってくるが、足を止めない。
来るな来るな来るな
もう終わったんだ。
今、達也から逃げ出そうとしている間にも、必死に
どんな顔か思い出そうとしてる。
それすら思い出せなくなるほど、やっと、忘れた。


「もう、死んだんだ、美咲、死んだから!
だから帰って…うわっ!」


「ちょっ…!」


パシッ

危うく転びそうになった達也に
手を貸してしまった。

死んだ?
あの噂、本当だったのか
病気の恋人がいる、という噂。


「…それで?それが俺と
なんの関係があんの?」

達也は一瞬ぱっと目を見開いて、
悲しそうな顔をした。


「おまえに、会いに」


困ったように、寂しそうに達也は笑った。



「でも、ごめん。もう、あの頃と
同じじゃないよな。俺…何やってんだろうな、
帰るわ、ごめ……っ!」




キス。


そして抱き締める。
パキッと骨のなる音がした。



許せなかった。お前も、俺も。
達也を忘れてくことが許せなかった。
そしてこれから、彼女に別れを
告げるだろう俺がとてつもなく
許せなかった。

そうだ、達也はこんな顔だった。
こんなに弱くて、暖かかった。

達也を忘れたことなんかなかった。
眠れない日はお前を思い出した。

お前はどうだ、俺を毎日思い出したか?
死にそうな彼女を前にして、
俺のことを想ったのか。

だとしたら…それだけでこの
五年と半年は、チャラだ。


「信…?」


「お前なんか…」


柔らかく微笑むのがわかった。
熱い、手。