何年か前、日本のロックンロールのバンドが「悪魔の渋谷」なんて曲を歌っていた。
どこを見てもオシャレな奴しかいなくてダサい"僕"は渋谷に恐怖する、というような歌。
その歌を仕事に行く途中ふと思い出した。
そして自分にとってもそんな恐怖、というより行くことでなにかネガティブな気持ちになる街がある。
JR山手線や京浜東北線、その他多くの路線や新幹線も利用できる便利な街。
品川である。
オシャレな奴よりはサラリーマンが多いが、自分にとっては仕事絡みで品川近辺へ行くと碌なことがない。
そもそもは10年ほど前、新卒で受けた企業
最終面接場所は品川駅港南口を出て徒歩2分ほどのビル
労働条件から職種業種、配属先に至るまでまったく希望したものと違う上に面接とは言い条、面接官を名乗る人事部のおっさんと雑に15分ほど喋っただけ。
内定は出たが一蹴し、最終的にフリーターになる道を選んだ。

それから6年ほど経って職がなくなり日雇いの派遣バイトに申し込んだ。
朝6時、集合場所は品川駅港南口
そこからバスに乗ってとある企業の冷凍倉庫へ
5㎏くらいある冷凍食品の詰まった段ボールをひたすらトラックから降ろす作業
暗くて寒い単純作業で重労働
そんな労働環境下で令和とは思えないほどのパワハラが横行していた
若い社員が入れ墨だらけの社員に平手打ちをされていた
派遣で行った自分も手は出されなかったものの怒鳴られながら作業を続ける
17:00、無事に作業を終えた後、現場のリーダーのおっさんに
「お前今日1日何の役にも立ってねえな。今日1日だけだから金は出すけどお前みたいな奴どこ行っても使いもんにならねえよ」
などと言われ、帰り際にも別の社員から
「日雇い派遣の奴なんかその日しか来ないんだから仕事教えてもムダなんだよ」
などと言われ、令和にもなってこんな蟹工船みたいな職場があるんだなぁと思った。
それっきりその派遣会社から仕事を貰うことはなくなった。
そこからさらに1年、再就職して配属先は品川駅港南口から徒歩5分くらいのところにある企業
チームで行うデスクワークの業務
チームリーダーは自分より5,6上の長髪で常に某ギターメーカーのパーカーをほぼ毎日着ているあまり印象に残らない人だった
実際的な業務が始まると業務に使うツールの使い方がわからない。
なのでリーダーに質問をしようと思って席に行くが席にいない。
相談や質問1つするのに1時間近くリーダー探しをせねばならずなかなか業務が捗らない。
数日後にはリーダーからリモートにするので明日よりしばらく出社しませんとの通知。
以降Teamsで業務についての質問をするも返答は来ず。
なんとか業務を続けるも数か月後、品川支社からの変更を申し出た。
こんな具合で品川や天王洲辺りは労働絡みで行くとネガティブな気持ちになることが多い。
数kmほどずれて、三田や田町、芝浦の辺りだとなにかポジティブな気持ちになる。
レインボーブリッジやお台場などの風景に玄妙さを感じるから。

面妖なものだなあと思う。
品川駅になど『もう2度と、2度と行くものか』とも思う。
そんな思いを胸に、明日も仕事のため、品川駅港南口を出て天王洲方面へ歩き始めるのです。
むむむ。