きゃなし。 | 作家 吉井春樹 366の手紙。

きゃなし。

悲権

人目もはばからず、

すぐに泣けるひともいる。

生まれながらに

悲しみに敏感なひともいる。

いちばん悲しむべき、

と想われるひとがいて、

なんであなたが悲しむの?

と想われるひともいる、かも。

悲しみを

うまく感じられるひと

悲しみを

うまく表せられるひと

いろいろいる。


あなたが

ほんとは悲しんでること。

あなたが

なみだを堪えていること。

あなたが

大切だと想っていたこと。

あなたが

がんばって笑顔でいること。

すべてを見れてる

わけじゃないけれど

それでもあなたが

悲しい気持ちでいることを

少しだけ、知っているつもり。

そして、そんな

あなたがほかの人と同じように

あるいはほかのだれよりもいちばんに

悲しんだっていい。悲しんでほしい。