雨になりたい。 | 作家 吉井春樹 366の手紙。

雨になりたい。



あなたが悲しいときに、

笑顔で語りかけるよりも、

あなたが悲しいときは、

いっしょに泣けるほうがいい。


大切ななにかを失って、

うずくまっているときに、

さあがんばろうと

背中を押すよりも、

うずくまっているあなたを、

やさしく抱きしめるような

そんな存在でありたい。


あなたが迷っているときに

こうすればいいと

光の差す方を指さすよりも

暗闇の中でいっしょに

手探りで迷うほうがいい。


とめどなくこぼれてくる

涙にあふれたいつかのあなたに

さんさんと降り注ぐ太陽にはなれない。


泣いて泣いて壊れそうなあなたの

涙を解け合うような、雨でありたい。

あなたの雨になるために、語りました。書きました。

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- - - - - - - - - - - 6月のタイトルはうれしぴトーク「おてんき。」&写真詩集「あいあい傘」 - - - - - - - - - - -

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