臨床心理士の今日の一言

臨床心理士の今日の一言

~パークサイド広尾レディスクリニックのカウンセラーより~

カウンセリングを気軽に、そして上手に利用して頂けるための情報をアップしていきたいと思っています。

なお、ご相談やご質問はこちらのブログでは受けておりませんので、ご了承ください。


必要な方は、専門機関にご相談されることをお勧めいたします。

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先月から身体の不調が続いていたため、

病院を受診、検査等受けてみましたが、

結果は特に大きな問題はありません、とのことでした。

「これはもしかしたら、

『精神的なストレス』が身体症状として出てしまっているのかもしれない・・」


普段から自分の心身の状態には気を配り、

バランスを整えるための工夫なり、ストレス解消を心がけてきたつもりです。

それなのに、まだ自分でも気づいていない部分で、

身体の内側から“SOS”が出されているのかもしれない。



仕事上、信頼できるプロ(相談相手)は多いので、

相談すべきかもしれない、と考えました。

そこで、相談するにあたり、

現在の症状、いつからそうなっているか、どういう時に出る/出ないのかなど・・

初診時の問診票に記載するような内容を自ら書き出して、整理してみました。

すると、状況が視覚的に捉えられて、より客観的に把握することができ、

自分が漠然として捉えていた「ストレス」が明確になってきました。

ようやく「ストレスを感じている自分」を受け入れられたよう・・


ここまで分かってくると、一応私もプロのカウンセラーとしてやっているので、

これからどうすればよいか、

どう対処すればよいか、

自分の課題はどこにあるのか、ということについても見えてきました。


今回のストレスの原因は、

仕事場面において

「人に合わせすぎて、自分の意見や考えを伝えずに我慢していた」こと。

そして自分の課題としては

「上手な自己主張(アサーション)」ができるようになることで、

できるようになってきたら、ストレスも緩和されるであろうことが予想されました。


職業柄というのもありますが、

相手を受け入れ、理解しようという態度・心構えばかり先行してしまい、

「自分を大事にする」という部分が足りていなかったのかもしれません・・

また、どこかで「良い人」「良いカウンセラー」として

見られることに意識が行き過ぎていたようにも思います。


一方で、自分自身の心身のバランスを保っていくうえでは、

受け入れるばかりでなく、

ほどほどに自分の気持ち・考えを上手に伝えていくことも必要。

また、人との「ほど良い距離感」も大切で、

改めて関係を見直していく必要があるなとも考えました。



ただ、自分の課題に取り組むことって、

けっこうしんどいですよね・・

ここまで自己分析・セルフカウンセリングしたところで、

身近な「プロ」に

「これを乗り越えられたら、また次の成長につながりそう。でも、今はしんどいです」と

こぼしてしまいました。。

その時に、あまり詮索はせず、私の話に耳をかたむけ、

落ち着いたところで一言、

「まあ・・今までも大丈夫だったから、今回も大丈夫でしょう」と。

その言葉に、とても救われる思いがしました。

と同時に、「さすがプロだなぁ」とも(笑い)。


あれからしばらく経ち、私の課題への取り組みはまだまだ現在進行中、

模索しながらなんとかやっているところです。

でも、徐々に身体症状も緩和されつつあります。


人間の心と身体というのは、本当に不思議なもので相関し合っているんですよね。

改めて実感。



カウンセラーとして、

クライエントの方の悩みに耳をかたむけつつも、

自身の課題と向き合うことも、まだまだ実践中です。

(前回のブログに戻ってしまいました、苦笑)


(久しぶりに思い立って、記事をアップします。)


カウンセラーとして働き始めた頃に、

家族との喧嘩からしばらく必要最低限の会話しかしない日々が続きました。

でもある時に、

「自分はこれからカウンセラーとしてクライエントの悩み相談を受けていくのに、

自分自身が問題から目を背けていては、本末転倒ではないか」という考えに至り、

思い切って家族に自分の本音をぶつけてみることにしました。

するとお互いの考えを伝え合うことができ、

やっぱり「向き合う」ことは大事だなぁと。

(今にして思えば、伝え合うことができる相手であったことが大きいのですが)


その後も、クライエントの方の悩みに触れるなかで、

自分自身も、人としての器を育てていかなければ、

人の悩みをカウンセラーとして抱えていくことは難しいだろうなと思い、

自分の課題と向き合うことを心がけるようになりました。

ただ、そういうと立派に聞こえますが、

実際のところは辛くなってしまって、

何かのせいにしたり、誰かのせいにしたくなったり、

問題をなかったことにしたくなることも、

沢山ありました。

でも、問題・課題って棚上げしておいても、

結局、後々また姿をあらわしてくるんですよね。

「あぁ、やっぱり避けられないんだなぁ」と観念して、

また向き合う作業をしていくことを繰り返す日々を送っています。


昔から、不満や愚痴を人に話して発散する傾向にあった自分を変えたいと思い、

あえて誰にも言わずに、自分ひとりで抱え続けることを心がけた時期もありました。

しばらくは、「案外、人に話さなくても大丈夫、やっていけそう」と思い、

自分は強くなったと勝手に思い込んでいたときもあり・・(苦笑)

しかし、時間の経過とともに、

発散できずに抱えるばかりだと、

うつっぽくなってきている自分に気づき、

「これではいけない」と、結局断念しました。

根性が足りないと言われればそれまでなのですが、

やはり自分自身のメンタルヘルスを保つためにも、

「適度に抱えて、適度に人に話す」ことにしよう、と考えを改めました。


そんな試行錯誤を繰り返してきましたが、

年齢を重ねるにつれて

以前よりも自分の課題と向き合えるようになってきたような気がしています。

ただ、ひとつクリアしても、また新たな課題が登場してくるので、

終わりが見えないというか・・

「いつになったら楽になるのだろう・・」と思ってしまうことも。

それでも、少しずつでも自分の成長と捉えられる部分もあるので、

そういう部分は良い意味で拡大解釈しながら、

日々をすごしております。

久しぶりのブログとなります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。



当院のカウンセリングには、主に成人女性の方で、

近隣にお住まいの方や通勤で近くまで来られている方を中心に、ご利用いただいていますが、

なかには遠方から足を運んで来られる方もいらっしゃいます。

貴重なお時間・労力を費やして来られているわけなので、

少しでもお約に立てるようにと、

今年もまた精いっぱいの心遣いをさせていただこうと考えています。


初めて来院される方は、

緊張や不安と期待などが入り混じったようなお気持ちでいらっしゃることと思います。

とにかく話を聴いてほしい、

困っているのでアドバイスがほしい、

頭の中・気持ちを整理したいetc...

求めるものは人によって様々。


ご相談内容も多岐に渡り、

妊娠・出産にまつわるものから結婚生活・パートナーとの関係について、

育児のなやみ、

シングルの方のなやみetc...

一人の女性として生きていく上での

様々な困難や葛藤、お悩みなどについて聴かせていただいております。

「女性」という点では共通するものの、

年齢や職業、その方の置かれた立場・状況によって、悩みの内容も様々です。

中にはお話を伺っていてこちらも辛く感じてしまうこともあります。


でも、みなさん共通するのは

悩み、もがきつつも、

「どうにかしたい」「良くなりたい」と

前を向いて生きようとしている、ということです。

時には、あまりの辛さから、

後ろ向きな考えを持ってしまう/口にしてしまうこともあるでしょう。

でも、それほど辛い、というお気持ちを受け止めて、そっと寄り添えるよう・・・

それがカウンセラーのお役目でもあるように考えています。


カウンセリングが進んでくると、

少しずつ、クライエントの方の変化を感じるようになります。

たとえば、

ずっとかぶっていた“仮面”が取れて、

その人らしさが見え、

のびのびとした振る舞いをされるようになった方や、

他者目線ではなく、自分を主体にして物事を考えられるようになった方

あきらめかけていた夢や目標にまたチャレンジし始める方、

身近な人との関係が徐々に良くなっていった方、

ダメな自分を受け入れて、

コンプレックスも自分の持ち味としてとらえられるようになった方、

自分に自信が持てるようになった方など・・・


当初は聴いていて苦しくなるようなお話が多かったのが、

徐々に

硬い表情がほぐれ、優しい笑顔が見られるようになったり、

失敗を笑い話に変えられるようになったり。

その方の変化・成長を目の当たりにすると、

ほっこりとした、温かい気持ちになり、

私にとっても有り難く、貴重な体験を共有させていただいているように感じるのです。



人生における様々な困難や危機がおとずれたとしても、

そこから新たな視点を見出して、乗り越えようとする“人間力”は

誰しも持っています。


本来ひとりひとりに備わっている、

その“力”を引き出せるように、

カウンセラーとしての知恵と工夫を凝らしていくこと。

その努力をこれからも続けていこうと、

新たな年の始まりに、

自戒の意を込めて、書かせていただきました。


長くなりましたが・・・

改めまして、

本年もどうぞよろしくお願いいたします。




年度がかわって早や2ヶ月・・・

そろそろ疲れが出てくる頃ですね。


4月から新・社会人になった方や、職場環境が変わった方、

お子さんのいらっしゃる方は入園・入学・進級による変化に伴い、

心身ともに負担も大きいことでしょう。


4月のはじめの頃というのは、

期待と不安とが入り交ざったようなキモチのなかで、

気を張って頑張っていく時期だと思われますが、

徐々に変化にも慣れてくると、

今度は反動として

疲れが出て、カラダのほうに症状が出る場合もあります。


それは、これまで頑張った「証」ともいえますが、

身体の不調を感じると、なんとなく気分も落ち込んでしまうかもしれません。


この時期は季節の変わり目ですし、

体調管理がむずかしい時期、ともいえそうですね。


だからこそ、

日頃から「ココロとカラダの“メンテナンス”」を行うことが大切になります。

もちろん、人それぞれ合う方法はちがいます。

自分のココロやカラダが求める方法を、

いま一度、探してみてはいかがですか。


キーワードは“栄養補給”と“デトックス”。

たとえば

心身の“栄養補給”につながるものとして、

「身体を休めること」、「好きなもの・心地よいものにふれること」、など・・

また

心身の“デトックス”とは、

「誰かにたくさん話す、聞いてもらう」、「運動して汗をかく」など・・

日々の生活の中で、ココロとカラダの栄養補給/デトックスを

バランス良く取り入れていくことは、

本来の自分を取り戻し、ストレスの予防にもつながります。

自分に合った方法を、いろいろ探してみましょう。


ただ、それだけではどうしても解消されないストレスというものも、

多かれ少なかれ、残念ながらありますね。

特に人間関係にまつわるストレスというものは、なかなか解消されにくいもの・・・


あまり自分の中に溜め込みすぎず、

自分で抱えるのはほどほどにして、

身近にいる、信頼できる人に話してみることも時には必要です。


また、身近な人には言いづらい話の場合には、

カウンセリングなども上手に活用されると良いかもしれません。


何事もほどほどに、

自分のココロとカラダを大事にしてあげてくださいね☆




レディスクリニックに併設されたカウンセリングルーム、ということで、

ご相談に来られる方々のなかには結婚、妊娠、出産にまつわるなやみをお話されます。


ただ自由な恋愛をしていた頃には想像もつかなかったような、

自分の課題に直面せざるを得なくなるのが、「結婚、妊娠、出産」というもの。


交際関係のままでいるのか、結婚をして家族になることを選ぶのか・・

結婚をしたら、子どもを作るのか、夫婦ふたりの人生を選択するか・・

子どもができたら、産むのか、それとも・・

出産して、少し落ち着いたら職場復帰をしたいのか、専業主婦またはパートでも子育て中心の生活をおくるのか・・


今の時代、女性のライフスタイルは多様で、選択もさまざま。

どれを選んでも、選ばなくてもいい。


若いうちは、周りと同じように学校へ行って、就職して、

恋人・パートナーとの恋愛関係を楽しんで、ときどき友達と女子会でおしゃべりをして・・

みんなと同じように自分もやっていたら、それなりに充実し、満足できていたのかもしれない。

もちろん、そのなかでも色んな出来事であったり、なやみごとももちろんあったはずだけど。


でも、年齢を重ね、結婚をして家庭をもつ人が増えていき、そのうち子どもが産まれたという知らせを聞き・・

少しずつ、「周りとおなじ」だったものが変化していく。


「わたしはこうしたいから」と自分をつらぬく強さを持てることが理想だけれど、

現実には、「どうしよう?」とか、「わたしだけ、なんでこうなんだろう」とか・・

焦りや不安を抱えることもしばしばある。


そんな思いは、内容によっては友達や家族や恋人にも話せるかもしれない。

でも、話しづらい、話せないこともあるし、

不安な気持ちを「なかったこと」にしたい時もある。



カウンセリングは、基本的に対話を通したやりとりになるので、

誰にも言えない話を相談しやすい場ではあると思います。

話を聞いてほしい、分かってほしい、という思いは多くの人が持っているものでしょう。

ただ、心の内側を人に話すということは、ちょっと勇気がいることも。

だから話せない、話したくない時ももちろんある・・。


人間はみな、矛盾のようなものを抱えながら生きているので、

気分がスッキリできる解決方法を知りたくても、

正論だけでは通用しなかったり、

受け入れられないこともあります。


自分のなかにある、嫉妬、怒り、不安、孤独・・・

そういったダークな部分、ネガティブな部分というのは、なるべく隠しておきたい、見せられないものだけれど、

でも時に、ダークな部分も全部ふくめて、もちろん自分のポジティブな面もふくめて、

そっと丸ごと受け止めてほしいこともあるような気がします。

それだけで、安心感を少しでも得られたり、

「こんな自分でもいいんだ」と思えることもあると思う。



カウンセリングに来られた方へ、

ささやかではあっても、

安心感が持てたり、

心の負担がちょっと軽くなったり、

ゆっくりでも前へ向いていけるようになったり、

そんなふうに思ってもらえるように・・・

ともに悩み、考えていきたいです。