エニグマ/奇妙な話 -6ページ目

エニグマ/奇妙な話

幽霊話ではない不可解な怪奇現象、怪談奇談の数々。
これらは全て実際に起こった出来事です。

この世界は、あなたが思っているようなモノではないのです。


E君の話。

彼は“幽霊自動車”が見えるという。


それは普段、見慣れた車の列に混じって走っているのだそうだ。


いつ、どんなときに視えるのかはわからない。


ふとした拍子に視界に入ってくる。


助手席には近々死ぬはずの人間が座っている。



それがはっきり判ったのは、彼の祖母が助手席に
乗っているの
を視たときだ。


入院して外出できるはずもなかった彼女は、それから一週間も立たず亡くなった。


子供のころからその車を視ていたが、助手席に座る見知らぬ彼らは、


みな寂しそうにうつむいているという。


知り合いを視たのはそれっきりだそうだ。


その車がどんな色をしていたのか、後で思い出そうとしてもまったく思い出せない。



ただ、それが普通の車ではないということだけは、すぐにわかる。



運転しているモノも視ているはずなのだが、もちろん思い出せない。




思い出さないようにしてるんですが、と彼は言った。