サラウンドSPは仰角等の向きを決める以前に、どこに設置(配置)するかというところが
非常に重要です。
サラウンドSP、サラウンド・バックSPそれぞれで音をカバーするエリアがありますので、
闇雲に場所を決めてしまってから、あとは振り角だけ微調整なんて事をしても決して
よい結果は得られません。
まずは仮設の状態で、いろんな映画(DVDのドルビーデジタル5.1ch録音でOK)しながら、
サラウンド効果の違いを確認してみて下さい。
タイムアライメント(距離補正)やSPユニットの振り角調整は最後の追い込みに必要と
なる要素であって、サラウンドの質の善し悪しを決定するのは”物理的SPの設置位置”
以上の何者でもないという事を忘れないで下さい。
これは経験則ですが、サラウンド・セッティングの場合、SPユニットから耳までの距離が
1m程度しか取れないと、サラウンドの直接音ばかりが耳に届いてしまい、リアだけが妙
に強い不自然なサラウンド空間になってしまいます。
リアルな空間を表現するには間接波を上手く使ってやる事が重要ですが、ガチガチな
理論にあまり捕われず、もしSPとの距離が取れないような場合は高さを取る事で距離を
稼ぐような工夫も必要になります。
サラウンドSPはフロントSPと比べて設置の自由度は高いですが、ただ闇雲に設置して
も十分な効果は得られません。
サラウンドSPを場所ありきでいきなり本設置しまうのではなく、位置をいろいろと変え、
その効果を吟味しながら決めていく事が大切です。