藤原竜也
有村架純主演

平川雄一朗監督による

タイムループ・ミステリー

僕だけがいない街

　を観て来ました。

平川雄一朗監督は、

演出したテレビドラマは秀作揃いなのに

いざ映画となると

どうも今ひとつ映画力が足りないと常々思っていました。

いつも映画化にあたり良い題材を拾ってくるのですが、

残念ながら本作も然り。

しかし、今まで監督した映画作品の中で

自分は、本作が一番好きです。

いつも人間に対する優しさを根底に残す作風が

いちばん顕著な作品だった事が理由でもあります。

過去や目の前の身近で起こる事件を回避するため

自分の意思に反しタイムループしてしまう能力を備える

売れない漫画家兼フリーターの藤沼悟を演じる

藤原竜也さんが珍しく抑え気味の演技で悪くありません。

ヒロインの片桐愛梨に

もう既に日本映画において貴重な存在になって来ている

有村架純さん

最近は、いい人の役が多くなっていますが、

彼女の本来の持ち味は、まだブレーク前に主演した

「リトル・マエストラ」みたいな少しヒネた感じの役だと思うので

またいつか腹に一物ありな役柄を見てみたいです。

親に虐待を受けている

悟の少年期のクラスメイトの

雛月加代に当節引っ張りだこの

鈴木梨央ちゃん

何でも某愛菜ちゃんに憧れてこの世界に入ったそうですが、

もう既にそのお株を奪ってしまているやも知れません・・・

悟が小学校時代の担任役に

及川光博さん

藤原竜也さんと対峙すると年齢的にかなり違和感がある

悟の母親役に

石田ゆり子さんなど

脇を固める布陣もキャラ的に悪くありません。

タイムループを扱う作品としてもそんなに破綻していないし

途中である人物を真犯人に見せかける構成など

中盤まで中々いいじゃないかと思いながら観ていたのですが、

後半手前でやってはいけないシーンを入れ込んでしまいます。

それは、まだ犯人への明示が無い時点で

顔は見せなくともハッキリそれが誰であるか判るアングルで

その姿を見せてしまったのです。

考えてみても絶対不要なシーンだし

何でそんな事をしてしまったのか理解に苦しみます。

お陰でクライマックスの盛り上がりが半減しました。

いい題材でいい映画になる環境が整っているのに

自ら墓穴を掘ってしまう愚かさ・・・非常に残念です。

あと

余談ですが、

予告編の最後にも登場するシーンで

川口駅付近が俯瞰で映されるので

おっ！埼玉でロケしたのか！！

知っている場所がいっぱい映るかなと楽しみにしていたら

川口でのロケは、その１カットのみで

しかも映画での土地設定は、千葉県船橋市だった・・・と云うオチでした。

にほんブログ村