２０１５年度の各映画賞で

新人賞を制覇したと云っても過言ではない

広瀬すず

満を持しての 映画初主演二部作の前編

ちはやふる －上の句－

　を観て来ました。

広瀬すずさんという珠玉の逸材を

映画女優として今後に繋げる重要な位置付けの作品となる本作ですが、

小泉徳宏監督は、キッチリ彼女の魅力を引き出し

躍動感溢れる魅力的な青春ストーリーに仕上げました。

この数年の日本映画において少女漫画を原作とした実写映画化は、

作品の質も興行成績も及第点の安定路線という流れですが、

その中でも本作は、完成度の高い作品だと思います。

競技かるたに青春の全てをかけるヒロインの少女を

その強靭な目ヂカラで広瀬すずさんが圧倒的なオーラを溢れさせます。

予告編で見る限り若干オーバーアクトな感じがありましたが、

本編を観ると一本気なそのキャラクターを的確に表現している事が分かりました。

ヒロインの幼馴染みのかるた男子を演じる野村周平さんを筆頭に

かるた部の仲間たちもそれぞれのキャラを的確に表現できる若手俳優が揃い

凄く良いアンサンブルになっていて作品に清々しい風を送ります。

中でも部員の一人で日本文化・古典大好き少女を演じる

上白石萌音さんが何ともホンワカキャラを体現し出色。

さすが周防正行監督が「舞妓はレディ」で主役に抜擢しただけのことはあります。

そして、もう一人の幼馴染みかるた男子を演じる真剣佑さん。

なんと千葉真一さんの息子さんなんだそうです。

この上の句では、まだ出番は少なめですが、

後編の下の句ではキーパーソンになりそうなので注目です。

競技かるたは、知力と体力の両方を極限に使う

ある意味スポーツ以上に過激な競技なので

それに乗じて作品も休みなく突き進みます。

活劇の面白さと解釈すればそれで良いのでしょうが、

折角、古き良き日本文化を題材にしているのですから

たゆまない台詞の応酬に終始するのではなく、

もう少し画で魅せる侘び寂び的な余裕があってもよかったかな

・・・と云うのが唯一残念なところでした。

テンポがいいというのと

常に賑やかというのとでは

若干意味合いが違うと思うのです。

もちろん最終的な感想は、後編の下の句を観てからですが、

４月下旬に連続公開と云うのと

何よりこの上の句でキッチリ一本の映画として

区切りをつける構成にも好感が持てます。

下の句では、松岡茉優さんが強敵として登場するようですし

これからの日本映画を背負って行く

若手の活躍を更に堪能出来る筈です。

また暫く映画で楽しみに待つ時間が増えます。

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ちはやふる -上の句-