ナナは走った。

「久しぶりに逢える!」

ナナは走った。

「1年振りに逢える!」

 

ナナには、遠距離恋愛中の彼氏がいた。

 

「やっと逢える!」

毎年、7月7日に逢う約束をしている。

 

「早く逢いたいよう!」

ナナは走った。

 

夕介は走った。

「久しぶりに逢える!」

夕介は走った。

「1年振りに逢える!」

 

夕介は、遠距離恋愛中の彼女がいた。

「やっと逢える!」

毎年、7月7日に逢う約束をしている。

 

「早く逢いたい!」

夕介は走った。

 

ナナは走った。

もう直ぐ約束の場所。

 

夕介は走った。

もう直ぐ約束の場所。

 

「あの角を曲がれば約束の場所!」

ナナは曲った。

 

「あの角を曲がれば約束の場所!」

夕介は曲った。

 

ゴッツーン!!

 

ナナは夕介とぶつかった。

夕介はナナとぶつかった。

 

「痛~~い!!」

 

お互い、声を上げた。

 

あまりの勢いに、2人の目から星が出た。

 

「すみません!」

 

彼氏の元に急ぐナナ。

彼女の元に急ぐ夕介。

目から星を出しながら。

 

無事に約束の地に着くナナ。

無事に約束の地に着く夕介。

 

ナナは彼氏に抱きつき、キスをした。

夕介は彼女を抱きしめ、キスをした。

 

あまりの勢いで、おでこがごっつんこ。

 

再び、目から星が出た。

 

そんな恋人達が、沢山いる7月7日。

あちこちで星がキラキラ。

 

「あ、またこの時期だ」

『ホントだ。この時期は地の川が綺麗ねぇ』

天から見下ろす二人の男女がいた…。

 

そして、パンダは笹を食べていた。