こんなに小さくなるのか…。

 

70歳。古希の祝いというコトで、

久方振りに父に会った。

およそ20年ぶり。

 

顔はしわしわに。

声は小さく。

大きかった背中も丸くなっていた。

こんなに小さくなるのか…。

 

「お久しぶりです…」

  

口から出た精一杯の言葉。

 

取り敢えず、家族の団欒に入る。

食事が始まる。

 

父にお酒を注ぐ。

初めて、父と飲むお酒。

味が分からなかった。

 

数回、父と会話を交わす。

が、昔、どういう口調で喋っていたのか、

思い出せないでいた。

敬語だったけな…?

 

ぎこちない会話の中、

会は終わった。

再会は終わった。

 

色々あり、会えなかった20年。

色々あり、会わなかった20年。

あんなに小さくなるのか…。 

あんなに小さくなるまで、

放っておいて、少し悔いた。

 

帰りの電車、何故か涙がこぼれた。

又、仲良く戻れるのかな。

 

涙が、戻してくれるかな…。 

 

あ。だから、「さんずい」に「戻」かぁ。

 

一日でも長く生きてほしいものです。