太陽が食べられてしまう。

  

そんな怪情報が以前から囁かれていたが、

(久)馬耳東風の彼。

しかし、そのXデーが近付くにつれ

怪情報に信憑性が出てくる。

次第に焦りだす彼。

  

そして、太陽が食べられる前日の夜。

7月21日。

彼は太陽を救う為に、薩摩に向かった。

仕事以外では初めての飛行機。

戸惑いながらもチケットを購入。

  

飛行機は無事に薩摩に降りたった。 

ドキドキしながら太陽が昇るのを待つ。

翌日、窓を叩く音で目覚める彼。

窓が水浸し。

太陽が食べられ窓が号泣、かと思えば豪雨。

太陽の姿が見えない。

ホッとする彼。

どうやら月から逃げているようだ。

  

取り敢えず彼は、ホテルを出、薩摩を徘徊。

初薩摩。

徘徊中、彼の目の前に日向が。

見上げると、いつの間にか雨は上がり

太陽が顔を出していた。

「ヤバい!?」

そう思った瞬間、太陽が欠けていく…。  

否、食べられていく…。

「逃げろ!!」

そんな彼の思いも虚しく、食べられていく…。

彼はじっと見詰めるコトしか出来なかった。

 

どんどん食べられていく太陽。

どんどん食べていく月。

月よ、そんなに美味しいのかい…?

 

8~9割、食べられた時、

それらを雲が覆い、雨を降らした。

悲しいから見せたくないのか、雨を降らした。

  

彼は項垂れた。

何もしてやれなかった思いからか…。

「さよなら、太陽…」  

  

立ち去ろうとする彼。

すると、背中に温もりを感じたのか

振り返り、見上げる彼。

「た、太陽!!」

  

月が太陽を吐き出していく。

どんどん吐き出していく月。

月よ、そんなに不味かったのかい…?

  

数分後、いつもの様に輝き始めた。

  

食の最大時は見られなかったようだが

神秘的なモノに感動していた。

 

その後、桜島に渡る彼。

【叫びの肖像】なるモノを見学。

どうやら数年前に行われた

長渕剛氏のオールナイトコンサート記念で

造られたモニュメントだそうだ。

中々の迫力だったらしい。

  

そして帰路につく彼。

さつま揚げを食べながら。

まるで太陽を食べる月の如く…。

  

そんな彼は、又一つ歳を取ったそうだ。

しかし、本当に一年の流れが早いらしい。

恐ろしい早さ。

怪奇現象並みの早さにショック、だとか。

 

皆既日食。

怪奇にショック。

  

沢山の祝言、有り難う御座います!

彼は照れております。

照れて、両手で顔を覆っております。

まるで月が太陽を覆うように。

しつこい…。

  

本当にありがとSUN SUN  SUN。

まだまだ笑かしたいので生きてやる、

とのコトです。

  

これからも彼を宜しくお願いします。