今日も彼はうめだ花月でのネタ出番を終え、地下鉄で帰路につく。

この時期は寒いからなのか、地下鉄を利用するコトが多くなっている。

 

地下鉄を降り、階段を上り地上に立つ彼。

生憎の天気で月が顔を隠している。

 

徐に携帯電話を耳に当てる彼。

どうやら留守番電話を聞いている模様。

地下鉄乗車中に電話があったのだろう。

 

が、携帯電話を耳に当てる彼は、戸惑っている様子。

何か良からぬ伝言でも入っていたのかと、電話から漏れる声に耳を傾ける。

 

『○○です お年玉期待してるで!』と、少年の声が。

 

しかし、○○が聞き取れない。

誰なのか?

何度聞いても聞き取れない…。

どうやら彼も聞き取れないでいるようだ。

間違い電話だったのか?

地下鉄乗車中で圏外だった為、着信履歴も残っていない。

 

一体彼は、誰に期待されているのか?

期待に応えてやりたいだろう。裏切るようなコトはしたくないだろう。

 

こうなったら年始に出会った少年総てに、お年玉をあげるしかないんじゃないか…。

 

 

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