九月の最終週は、月曜にとっても体調が良く、筋肉自体が落ちた分を差し引けば、ほぼ症状が無いと感じるくらいでした。しかし、連日の仕事で疲れが溜まっていき、金曜には特有の症状が出るようになってしまいました。

ステロイド10mgにしてから、全身脱力と球症状がメインとなり、ほとんど眼症状が出なくなったのは有難いです。眼がダメだと、脳の働き自体が止まった感じになり、出来る仕事が無くなってしまうので。

その中でも、勉強であるとか、趣味であるとか、少しづつ前向きなことにも取り組んで行きたいと思っている今日この頃です。

さて、短期間に何もないところで3回転んだことから、杖を購入しました。

モンベルmont-bellのTグリップラチェットロック（品番：1140178）です。

お店に見に行った時には、「Tグリップはおじいちゃんみたいで嫌だなー。」と思っていたのですが、色々と触っているうちに結局オーソドックス（病人として）な、こいつに落ち着きました。

画像には緑色のカラビナ（100円ショップ）が付いています。杖を持ちたいと考えるくらいの人は、落ちた杖を拾う動作も厳しいと思います。色々と役に立つので、一個付けておいてください。

■初めて杖を使ってみて、意外に良かった点

転ばない安心感と、階段がラクになる効果は、想像以上でした。

杖に頼ることによる筋力の低下も心配しましたが、体力の消耗を防ぐことが出来るので、その分筋トレ出来ればよいのかな、と思っています。また、肩と腕の筋力低下が顕著だったため、杖で歩いて上半身を使ったほうが全身の筋力バランスも良くなるかもしれません。

購入前に想像していなかった使い方は以下。

　・杖に寄り掛かって休む。
　　→杖のグリップ部分を腰に当て、寄り掛かると、
　　　体力の消耗を抑えることが出来ます。
　　　これをさりげなく行えるのは、
　　　Tグリップの特権じゃないでしょうか。

(不気味なイラストで失礼)
　・電車でリュックの重さを杖に預ける。
　　→重症筋無力症（MG）の症状で、網棚に荷物を載せる動作が
　　　出来なくなってしまいました。

　　　（座っている人に重い荷物を落としたことあり・・・。）

　　　リュックの場合は前に抱える姿勢になると思いますが、
　　　その時に杖があれば、リュックの重さを殆ど支えることが出来ます。

　・座った状態で、体幹・首を休めることが出来る。
　　→体幹や首が脱力してしまった場合、机にうつ伏せで寝るか、
　　　横になるくらいしか復活する方法がありませんでした。

　　　座っても、体幹と首に関しては、
　　　下手すると立っているより疲れるくらいなんですね。

　　　ラチェットロックの杖があれば、普通の椅子でも、
　　　ちょっとした段差に座った時でも、
　　　アゴを杖のグリップに乗せられます。
　　　この姿勢で、横になる場合の半分くらいは
　　　首を休めることが出来ます。

■悪かった点

恥ずかしい。くらいでしょうか。

杖を持つことで荷物が増えるので、電車でスマホを見るのは難しいな、と感じます。が、どちらにせよ体調が悪ければスマホなど見れないので、良しとします。（おかげでSNSの流れの早さに、全く付いていけなくなってしまいました・・・。）

また、雨の日に、傘と杖を同時に使うのは至難の業なのですが、これはデメリットとは言えないかな。

もしかしたらこの先、杖を持っていることでナメられて、何らかのトラブルに遭うかも？と思ったりもしていますが、まぁそれは分からないですよね。

■モンベルmont-bellのTグリップラチェットロックの良い点

老人用や医療用に比べて、軽いです。価格も税抜き4,500円なので、もの凄く高額なわけではないと感じます。モンベルは歴史の長いアウトドアメーカーなので、アフターケアも信頼出来ると思います。

グリップがラバーなので、そこら辺にちょっと立て掛けたり、机の縁に引っ掛けたりする際の安定性がとても良いです。

普段使っているカバンには全体は入りませんが、体調の良い時には、グリップだけ外に出した状態でリュックに突っ込んでいます。

お金がある方はカーボンモデルを選べば更に軽量ですが、まずは普通のアルミモデルを買ってみて、自分に欲しい機能を見極めても良いかと。

■杖の選定について

重症筋無力症で杖の利用を考える場合、Tグリップかロフストランドクラッチ（前腕と手の2点で支える杖）の二択になるかと思います。

ロフストランドクラッチは大きく重いし、上記した様々な使い方はしにくいと思うので、Tグリップで歩ける状態であれば、Tグリップ択一ではないでしょうか。

Tグリップの長さ調節については、主に下記に分類出来ます。

　・シャフトを回して固定するもの。
　　→登山用で一般的。信頼出来るが、伸縮に時間が掛かる。

　・カムロックのもの。
　　（スポーツ自転車のクイックリリース、クイックレリーズのような方式）
　　→登山で一般的。シャフトを回すものよりは素早く伸縮出来る。
　　　色々と引っかかりやすいので、日常生活向きではない気がする。

　・中に紐が通っていて、“Wの字形”に折れ曲がるもの
　　→老人用ステッキで一般的。伸縮も素早く、単純かつ軽量で良いのだけれど、
　　　中途半端な長さで使うことは難しい。

　・ラチェットロックのもの
　　→登山では、絶対的な強度や、砂が詰まった時の対処などを考えると
　　　あまり選ばれないものだと思いますが、
　　　日常生活では素早い伸縮や自在な長さ調節が可能で、
　　　とっても使いやすいです。

ということで、中に紐が通っているモデルも魅力的だったけれど、ラチェットロックのものを選択しました。

こういう内容の記事は、より症状の重い方から見ると、気分を害す内容になってしまいがちだと思います。（寝たきり、車椅子、ロフストランドクラッチの方など。）

気を付けていきたいと考えていますが、「病状記録のついでに、誰か一人でも、少しでもラクに生活できればいいな」と思ってやっていますので、ご容赦頂けましたら幸いです。

杖を買ったよ。（モンベル Tグリップラチェットロック）

杖を買ったよ。（モンベル　Tグリップラチェットロック）