2012524日にフラクシア浜松町(東京都)で開催された

Dr. Ian Dunbar Seminar & Workshop 2012に参加させていただきました。




動物と共に学び、生きる力を身につける





イアン・ダンバー博士は、イギリス出身の獣医師、動物行動学博士、ドッグトレーナーとして世界的に知られています。日本でも2002年から現在にわたり、数多くのセミナーを開催してきました。今回は、犬に関わる専門家“終結”教育プログラム」として、521日~24日の4日間にわたるセミナーが開催されました。その一部ではありますが、524日に行われた一般飼い主向けのセミナーに参加させていただきました。




セミナー4日目、最終日でもあるこの日の第一部は「災害時、愛犬の命 救えるでしょうか?」をテーマに、赤坂動物病院院長の柴内裕子先生がお話されました。先生は、東日本大震災の直後から、何度も被災地に足を運び救援活動を行っており、その時の経験も踏まえて、今私たちに何ができるかをアドバイスしてくださいました。たとえば、動物用の非常持出袋を玄関に用意する、マイクロチップを入れる(もしくは迷子札を付ける)、体中どこでも触れる犬にしておく等、いざという時に動物の命を救えるようにしておくことは、私たち人間の責任であると強くおっしゃっていました。





第二部では、第一部の講演をもとに柴内先生率いるCAPPCompanion Animal Partnership Program)メンバーとダンバー博士による「自宅から逃げる⇒避難所で暮らす 実践トレーニング講座」が行われました。ここでは、緊急時を想定した実践的なトレーニングを6頭の犬を用いてデモンストレーションされました。体中どこでも触れるようにするトレーニング、避難所を想定し、クレートに見立てた段ボール箱に入るトレーニング等、会場全体を使いながら丁寧に楽しく指導していただきました。




ダンバー博士は、すべての子犬が生涯、同じ家庭で幸せに暮らせたときに、私たちの仕事が完結すると考えています。犬の問題行動は、飼い主にストレスを与えること多くあるため、犬に適切なしつけをすることは、飼い主の幸せに繋がるとお話されました。また、これらの問題行動を予防するには、子犬の社会化期のトレーニングが大切だと言われています。一人でも多くの飼い主に、適切なトレーニングをしてもらうために、ダンバー博士は、ご自身の書籍がオンライン上で電子書籍として無料でダウンロードできるようにされました。レッドハート株式会社様のもと、全て日本語で読めるようになっています。犬を飼っている全ての人に情報を提供することで、多くの犬と飼い主が幸せに暮らすことを心から願っています。







ダンバー博士の電子書籍「子イヌを飼う前に」「子イヌを飼った後に」

無料ダウンロードサービス: http://www.redheart.co.jp/e-book/index.html



子犬育てイニシャチブ「犬の専門家編」:

http://dogresortwoof.jp/seminar/THE_INITIATIVE_FOR_DOG_PROFESSIONALS.pdf




子犬育てイニシャチブ「これから子犬を飼う人&新米飼い主編」:

http://dogresortwoof.jp/seminar/The_SIRIUS_Puppy_Raising_Initiative_For_Prospective_and_New_Puppy_Owners.pdf








動物と共に学び、生きる力を身につける



日本動物病院福祉協会(JAHA)が行う、動物介在活動の現場を見に行きました。

場所はさいたま市にある見沼緑水苑という特別養護老人ホーム。




日本の老人ホームでの活動見学に行くのはこれが初めて!

さてさて、アメリカと日本の訪問活動はどう違うのか。




この日は七里動物病院の院長先生をリーダーに、

ボランティアさんと犬5頭、猫1頭が参加しました。


季節に合わせた歌を歌いながらの入退場や、

丁寧な声掛けなどは非常に日本らしいと感じました。

(ちなみに今回は「焚き火」を歌いました。)



この日はインフルエンザの予防のため、マスクを着用しての活動でした。

ボランティアさんの表情が見えないのが少し残念でしたが、

それでも参加してくれた方々は喜んでくれました。


施設に入る際に動物の足を拭いたり、

訪問の最後にガムテープを使って床や衣服に付いた動物の毛を

取ってあげたりする配慮はさすがですね。



事前にボランティア講習会やミーティングをしっかり行っているので

安心して見学できました。




アメリカでは、認定を受けた飼い主と動物が活動しているのがほとんどなためか、

きっちりとしたミーティングは行わず、集まった際に少し確認する程度。

入退場や動物の紹介は行わず、来た人にどんどん声を掛けていくスタイルです。

病院への訪問でさえも、動物の足を拭いたり掃除したりということはありません。

もともとアメリカは土足OKな国なので、あまり気にしないようです。


日本はそれだけ衛生面に気を使っているのでしょう。



どちらが良いというわけではありませんが、

今回の訪問でアメリカと日本の習慣の違いが大きく見られました^^



122日、練馬区の光ヶ丘第八小学校に動物介在教育の見学に行ってきました。

ぜひもう一度やって欲しいとのお願いで、第八小に来るのは2回目だそうです。



これはJAHA(日本動物福祉協会)CAPP(Companion Animal Partnership Program)

一環として行っているもので、今回参加したのは障がい児のいるわかば学級を含む

100名の13年生の子ども達。


この活動では、子ども達に正しい犬への接し方を指導することで犬との事故を未然に防ぎ、命の大切さを学んでもらうことが目的。


犬が苦手な子は予め固まって分かりやすいところに座ってもらい、配慮していました。


ボランティアさんと一緒に参加してくれた犬たちは、チワワ・トイプードル・柴犬・グレートピレニーズまで様々な大きさの10頭。とくに、目立ったのはグレートピレニーズのムーくん!

2m近くある大きさに子ども達もびっくり!


犬たちの自己紹介を終え、さっそく授業が始まります。

まずは、「あいさつの仕方」、あいさつは人でも動物でも大切ということを教えます。



道でかわいい犬を連れている人に出会ったとき、触りたい!と思ったら


1. 「こんにちは」と声をかけます

2. 「さわってもいいですか?」と尋ねます

3. 飼い主さんが「いいですよ」といったら、“やさしいグー”(下向きのグー)

 をつくって、犬のあごの所に手を持っていき匂いを嗅がせます

4. やさしく首元を触ります


この手順をデモンストレーションし、実際に何人かにやってもらいました。


次は、「触ってはいけない犬」について子ども達に分かりやすいよう、

紙芝居やクイズ形式で教えていきました。



· 車の窓から顔を出している犬

· 檻や柵の中から顔を出している犬

· 子犬を連れている犬

· 盲導犬など、仕事中の犬

· 1頭でうろうろしている犬



盲導犬以外はいずれも噛む危険性があるので触ってはいけないということを教えます。


でも、もし1頭でうろうろしている犬に出会ってしまったら?


 「木になろう」



これはアメリカで教えていた方法と同じでした。



両手を胸の前で組みます。木は話しません、目もありません。

ただひたすらじっと立っています。


子ども達全員に木になってもらい、その間を10頭の犬がボランティアさんと一緒に歩き回ります。


2回目は犬に倒されたときも想定し、「倒れた木」になります。

今度はうつむきになり、手を頭の下で組みます。


犬たちが子ども達を踏んづけて歩いていくので、薄目を開けて様子を伺う子、

ちょっと緊張している子、くすくす笑う子と様々ですが、

終わって立ち上がると、我慢してたものを吐き出すようにわーっとみんな笑顔になりました^^


そしていよいよ、お待ちかねのふれあいタイム。

犬に極度のストレスを与えないよう、

小さなグループに分かれて1人ずつ順番に触ってもらいます。


心理学的に白くて小さい犬の方が恐くないということもあり、

犬が苦手なグループにはベテラン獣医師の柴内先生と、

愛犬のシロマ(白いトイプードル)が付きました。


恐怖心のある子どもには絶対に無理はさせません。


ところが、この時点でこのグループの子ども達の半数以上が犬嫌いを克服しています。

自分から進んでひざに乗せて触ったり、えさをあげたり、

中には頬ずりする子まで現れ、近くで見ていた先生もびっくり!

落ち着きがなく動き回っていた子も、犬がひざに乗っている間は

静かにやさしく撫でてあげていました。


最後までどうしても触れなかった女の子には棒を持ってもらい、

犬がその上を飛び越えるなど何かしらの形で参加した子ども達が

犬と関わることができました。


最後は「命の大切さ」を教えるために

ハートサウンド(拡張期つき聴診器)で犬の心臓の鼓動を子ども達に聞いてもらいます。

動物たちは大切な家族、温かい体には温かい血液が流れている。


ここでも柴内先生は同じ質問をしました。

「生き物は一度死んだらまた生き返ると思いますか?」

解釈は様々かもしれませんが、数名の子ども達がまじめな顔で手をあげます。



時代が変わり、人や生き物の生死に関わることが少なくなった今

命の大切さを教えていくのは私たち大人の役目なんだと感じました。


JAHAは現在、住宅地が多く動物があまり飼えない環境にある東京都の練馬区を中心に

活動を行っているそうですが、こういった活動は全国的に広めていきたいです。