きゅっきゅ8のえんがわで -17ページ目
ずっと大事にしてきた
宝物を入れた箱を
そっと開けてみる
あの頃の私と別れるために
真朱の思いを迎えるために
もう決めたんだ
振り返らないことを
過去は全て自分の中にある
未来は全て自分の先にある
具墨色に光を与えられるくらいに
そっと開いた
あの日のアルバ厶
何の感情もなくなっていた
透明な喜怒哀楽に
乳白色の絵の具を注ぐ
揺らめいていた想いは
強さと弱さに触れて
ゆるやかに振れて
縹色の夢を見る
息を吸い込んで
次々に入ってくる
新しい空気を
空っぽの気持ちに重ねる
鶸萌黄の彩り

