少し前の話ですが、毎日のように薬局に来るおじいちゃん
がいました。
そのおじいちゃんはうちに来られる患者さんでもなく、名前もよく知らないおじいちゃん
でした。
そのおじいちゃんは毎日のようにシルバーカーを押しながら、よろよろと薬局に来て
「タバコ売ってるか~
」と少し弱った声で聞いてきます。
「おじいちゃん
、ここは薬局だからタバコは売ってないよ。」
(おじいちゃんは少し耳が遠いのでちょっと大きめの声で答えてあげます。)
「そうか、前は売ってたんやけどなあ。」
(イヤイヤ前も売ってなかったし)と心の中で突っ込みを入れながら答えます
。
「そうか、どこで売ってるかなあ~。」
「あっちのお店で、売ってるよ。」
「あ、あ~」
と言って、店を後にします。
そのあと薬局では、
「今日も来たね。
」
「まだしばらくは大丈夫そう
」
など、ひとしきり話が出ます。
ほぼほぼ毎日、ある程度決まった時間に来ることや服装もきちんとしていることから、
ご家族の方も了解されているのだろうと考え、そっと見守っておくことにしていました。
ただ、気が付くと来られなくなっていました。
あとで色々聞いてみると近くのおうちの方で、亡くなられたそうでした。
先日、名前の知らないおじいちゃんが道路わきの座りこんでタバコを吸っているのを見て
久しぶりにそのおじいちゃんのことを思い出しました。