深夜目覚めてしまった
眠れない
前だったらこのまま山に行く準備してたな
お風呂でも入ろうかな
ベッドでじーっとしてると、いろんな音が聞こえてくる
ホトトギスの鳴き声
「鳴かぬなら…」ってのあるけどさ、鳴きすぎだよ
鹿の鳴き声
咀嚼音
最初はこの咀嚼音がなんだかわからなくてすんごく怖かった
深夜に庭でごりっごりっむしゃむしゃむしゃ…って聞こえてくんだよ
かったいもの噛み砕いて飲み込む音が…
平安時代のお話のように、鬼が骨を…みたいなイメージが頭を駆け巡り…
鹿が落ちた梅の実食べてるだけだった
虫の声は意外と少ない、深夜は
あとはふう子の寝息
そろそろ新聞配達のカブの音がきこえてくるだろう
窓から冷たい空気が流れ込んでくる
顔だけ洗ってさっぱりして
明日も休みだ
しあわせだな
前は眠れないことに焦ったけど
今は「寝ればいいさ」と思う
次の日仕事だろうとなんだろうと
ちょっとスミマセンっつって
5分でも10分でも寝ればいいさ
…うるせぇ、ホトトギス
お風呂上がりのツヤツヤふう子さん
夏毛です