今日の午後3時に約束してたお客さんはむかーしむかしからやってる小さいだんご屋さん




だんご、草餅、お稲荷、海苔巻き、おこわ




仕事の話が一段落したら、絶対頼もうと思ってたんだ




クリームソーダ




前から来る度に気になってた




「クリームソーダをいただいてよろしいですか」




「ああ、もちろんですよ。かけて待ってて」




昔ながらのパイプ椅子をコンクリートの床にぶつけながらガガッと引いて




奥から、カランカランとコップをかきまわす音が聞こえる












あー、やっぱり!




甘い!

メロンシロップ薄めただけの

絶対ベロが緑色になるヤツだ

あたしが求めてたヤツ





「アタマ使う仕事だからつかれるだろ?甘いもんとらなきゃねぇ。ほら、ビタミンC」




そう言ってオレンジを切ってくれた

ゴロゴロと小さいお盆にのせて

お手拭きは普通のタオルぬらしてぎゅーっと絞ったそのまんま

ぞうきんみたい

こういうのがうれしいんだよ

手づかみでワシワシ食べる




「だいたい客にそんな細かいとこまで気を使う人なんか他にいないよ?あんたアタマも気も使いすぎなんだよ、ありがたいけどさ」




いや、普通です

そう思うなら、今までのお付き合いが残念だったのではないですか

とは言えないけど





帰りに草餅買ったら、海苔巻きがオマケではいってる

毎回、はいってる




ありがとうございます




お役にたてるように




がんばります




こういうのが、仕事の原点




「ビジネス」では生まれない




てなわけで、その後の様々なトラブルも乗り越えることができるのだった、ベロ緑色にしながら




おしまい