今日も妻のあしを揉む ~妻が乳がんになりまして~

今日も妻のあしを揉む ~妻が乳がんになりまして~

~妻が乳がんになりまして~
乳がんを患い、心身ともに疲弊していく妻に対し
私が出来る事は、生業で培った技術を使い
妻の体を揉みほぐす事ぐらいだった。

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 妻の髪を切りまして

 

 妻が受けている抗がん剤は

副作用として「脱毛」が起きる

「主治医から確実に起きます」

と、念を押されていた。

対応策として、あらかじめ髪を短めに切り

抜けてきた時の精神的ダメージを

軽減させると良いらしい。

 

男性側は、正直な話し

いずれハゲる可能性を秘めているので

脱毛における精神的ダメージは

女性に比べて遥かに低い…かもしれない

 

女性にとって髪の毛が

とてもデリケートな問題である事は

重々承知しているつもりではある

妻の髪形をショートに切った時は

その出来具合をとても喜んで貰えた

 

しかし、本格的に脱毛が始まると

ショートヘアを維持するのも困難になり

結局、ウイッグを着けるためにも

バリカンで短く揃える必要があった

ただ、頭皮も荒れやすくなり

過敏に反応するようになったので

中途半端に刈ると、余計に痛むらしいので

1cm未満の短めを提案したのだが

結局、18mmで刈る事になった。

 

妻の髪にバリカンをあてながら

たわいもない笑い話を繰り返す

会話が止まると

涙が出そうになる

 

所々、頭皮が露わになり

刈れば刈るほどそれは顕著になる

 

妻は笑っている

 

私も、お揃いだ~と笑う

 

背後に立っているので

表情を見られなくて済んだ

こういった立ち回りが上手くなってきた

 

きっと、ひどい顔をしてる

 

無理をして引きつった笑顔

 

声を震わせない様に緊張した体

 

 

まばらに刈られた頭は案の定

半日ほどのウイッグ生活で

チクチクとした痛みに襲われ

頭皮は軽い炎症を起こしてしまった。

 

これ以上、見ていられない

 

ミリ単位で揃える事を提案し、妻を説得する

 

渋々ながらも承知してくれたので

すぐ実行に移す。

笑い話をしながらも仕上がりに問題はなく

これで少しでも妻のストレスが減れば…

と、思っていながら片づけを済まし振り向くと

 

妻の目は真っ赤になっていた

 

「眠くなっちゃった~」

とは言っていたが

私は「そっか~」とだけ返す。

 

それ以上の会話は避けた。

 

妻の事を気遣って避けた

 

と、言うより

罪悪感のせいで話せなくなった

の方があっていると思う。

 

妻の事を思っての提案ではある

合理的でもある

体にとっても良い対応

 

でも

妻の表情は明るくない

 

妻の目は赤く滲んでいる

 

何を間違えていたのだろう

 

いつもなら子供が寝静まった後の

夫婦水入らずの楽しい時間が

今日は無いのだろう

 

何で私の胸は詰まった様な感じなのだろう

 

この問いの正解は何だったのだろう

 

今日の反省会

 

 

 

 

 

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