NHKドキュメンタリー「映像の世紀~バタフライエフェクト~」
昨年秋~冬にかけて放送されたもの、時々見ています。
その感想メモ。
(少し前に書いてあったブログです…アップするタイミング今になった…)
「9・11同時多発テロの点と線」
運命の皮肉というのか、関係なさそうなことが意外に結びついていたり、縁があるというか、
そういういろんなことを知った回でした。
(だからタイトルが点と線なのか…)
9・11同時多発テロで破壊された、ワールドトレードセンターは、
ロックフェラー財閥による建設だった。
ロックフェラー財閥は、サウジアラビアでの石油事業で莫大な儲けを得た。
「自由貿易による国際平和」を理念に掲げてサウジアラビアで企業活動をした。
「ワールドトレードセンタ」の名はその理念「World Peace Through Trade」からとって名付けられている。
理念は美しい言葉となっているけれど、
要は、強国が貧しい国から資源を安く買い叩いたってことも同然だよね。
そのサウジアラビアで、ロックフェラーの油田開拓時に建設会社を起こし、財をなしたのが、ビンラディン一族。その好景気で財閥となる。
その当主の17番目の息子が、オサマ・ビンラディン。アルカイダの首謀者。
時は移り、湾岸戦争時、サウジアラビア王家は米国に頼る。
オサマは当初サウジ王家に怒りを抱いていたが、サウジで好き勝手振る舞う米国へと怒りのシフトが変わる。
ワールドトレードセンターは、不景気にあえぐ時期、公共事業として建設された。
その設計を担ったのが、ミノル・ヤマサキという日系アメリカ人。
くしくも彼は、サウジで象徴的な新しい様式のビルを設計した人でもあった。サウジ王家にも高く評価されていたビルだった。
ワールドトレードセンターは、そのイスラム様式を取り入れた設計だった。
1970年、1972年にワールドトレードセンターのそれぞれの棟が完成。
1993年、ワールドトレードセンター地下駐車場で爆破テロ。
そのときビルはびくともしなかった。
しかしFBIのオニールは、将来再びテロがあるだろうと警戒し、徹底したテロ対策を度々進言したが、政府からは相手にされなかった。
FBIを退職し、ワールドトレードセンターの警備責任者へと転職する。
着任日が2001年8月23日。
9月11日も、最初の一撃のあと恋人に無事だと電話。避難誘導などで働いていた。しかしビルは崩壊…。後に瓦礫の中から発見される。
ワールドトレードセンターを設計したミノル・ヤマサキの息子、タロー・ヤマサキは戦場カメラマンとなっていた。
いろんな点と線を描いた良いドキュメンタリーだった。
でもここに描き切れない、いろんな思いがあって、点と線となっていったのだろうと思う。