今回、録ってあったDVDの中から鑑賞したのはこの作品。
1964年に制作された日活映画だ。
トラック運転手の光弘(浜田光夫)は、行きつけの中華料理屋で働く
和吉(舟木一夫)の幼馴染でバスガイドをしている節子(松原智恵子)に
一目惚れ、デートに誘い、いつしか節子のために自分の夢を叶えようと
頑張るようになる。
近い将来、自分のトラックと店を持とうと休みを削って働く光弘だが、
節子と逢える時間が少なくなり、二人の気持ちにすれ違いが生じる。
そんな中、過労から事故を起こした光弘は、自らも再起不能になってしまう…
舟木一夫さんのヒット曲を題材に作られた本作では、
「あゝ青春の胸の血は」同様、舟木さんは脇役だけどおいしい役が当てられている。
ここでの青春模様は、浜田光夫さんと松原智恵子さんという、
珍しいコンビだ。
光弘が働くトラック会社では、働いた分だけ手当が出るものの、
事故を起こすとドライバーが弁償させられることになっている。
この当時、トラック会社では「各種保険完備」なんて夢のまた夢、
だったのかしら?
これにより、作品の後半では過労で居眠り運転をした光弘が
預かった貨物を崖下に落としてしまい、多額の弁償金でそれまでの貯金が
ほぼパーになってしまう。
再起を誓って中古トラックを買って仕事に戻るも、また事故を起こし、
右腕の神経を傷つけてしまう。
「日活の青春映画」とたかを括って見ていた身に、冷や水を浴びせられるような
悲劇のつるべ打ちだった。
ヤケを起こしそうになる光弘を、節子と共に荒っぽく救うのは、和吉。
舟木さん、いい役だねぇ。
この作品では、作曲家の遠藤実さんが劇中音楽も担当している。
確か時期的に「ミノルフォン・レコード」を設立した頃だから、
来る仕事は何でも受けていたのかしら。
当時の川崎近辺の景色を楽しめる作品でもあります。