15年くらい前にチャンネルnecoで録画しておいたのが
1961年の日活映画「メキシコ無宿」。
日本に出稼ぎに来ていたメキシコ人ペドロは、母国の農園を買い戻すために
貯めた金を盗まれてしまう。
便利屋のジョーはペドロの思いに同情して、二人で危ない仕事をして
賞金稼ぎをして行くのだが、事故でペドロが死んでしまう。
今際の際に「俺の代わりにメキシコに行って、農園を買い戻してくれ」という
ペドロの頼みを引き受け、メキシコに渡ったジョーだが…
前半が横浜と思しき港町、後半がメキシコのアカプルコやメキシコシティで、
作品全体を陽射しの強さが彩っている。
そのためか?キャストの見てくれも演技も暑苦しく、
宍戸錠さんが(おそらく)汗でベタベタになった髪を振り乱しながら
あちこち疾走する姿が嫌が応にも瞼に焼きつく。
なんとなく、メキシコロケありきで急遽作られた印象があって、
脚本も演出も「細かいことは聞かないでくれ」といった感じで
大雑把に物語が進み、時々登場人物の物語が挟まれる程度。
当時の日活映画にありがちな、一般市民が街中で拳銃を撃ったり、
ならず者組織の連中を射殺しても無罪放免という無茶苦茶さなんだけど、
その無茶苦茶さを楽しめれば、立派な日活映画ファンと言えるだろう。
オープニングとエンディングの、ヘタクソながら朗々と歌う宍戸錠さんの歌が
印象に残る、愛すべきB級作品と言えるだろう。