今回鑑賞したのは、1961年の日活映画「海の勝負師」。

宍戸錠さん主演の、潜水夫が主人公という異色の物語だ。

 

潜水夫のジョーは、ある事件をきっかけで仲間を死なせてしまい、

卑怯者と蔑まれていた。

東京で飲んだくれていたジョーは、大島の漁師・伍助と三吉に

船の引き上げを頼まれるが、相手にしない。

代わりに千代松という潜水夫が仕事を引き受けるが、彼は過度の飲酒で

潜水病を患っていた。

ジョー、そして彼を思い続ける京子も大島に向かうが、

大島にはジョーが死なせてしまった北川の妹弟、マキと一郎太がいた。

そして千代松を止めようとした時、ジョーの正体が二人にわかってしまう…

 

石原裕次郎さんや小林旭さんが主演の時と違い、宍戸錠さんが主役だと、

物語はほろ苦い雰囲気で進んでゆく。

過去を背負ってやさぐれる様子は、宍戸錠さんの独壇場で、

ジョーに振り回される連中を演じる俳優の層が厚いのが日活の特徴と思う。

 

ヒロインは、中原早苗さん。

ファンならご存知、深作欣二監督とご結婚された方だけど、

60年代前半は日活で活躍されていたんだねぇ。

 

クライマックスで用意される潜水服は、1954年の「ゴジラ」で

宝田明さんと平田昭彦さんが着たものとデザインは似た感じ。

カラーだと、こういう色なんだね。

 

ザラザラした画面を彩った音楽は、佐藤勝さんが書き下ろしたもの。

これは商品化されていたかなぁ?

日活映画のサントラCDは何枚か持っていたから、今度調べてみよう。

 

「エースのジョー」によるダークヒーロー作品も見応えがあるね、

日活映画。